迷走WHO、誤報を翌日撤回
Japan In-depth / 2020年5月3日 17時0分
しかし驚いたことに、WHOはそうした反発に影響されたのか、それとも当初の「警告」がまちがっていたことがわかったのか、翌4月25日に否定の声明を出したのだった。以下の内容だった。
「WHOの新型コロナウイルスの抗体に関する声明が各方面に懸念を生んだようなので、明確化を試みたい」
「新型コロナウイルスに感染したほとんどの人々はある程度の水準の保護(免疫)を提供する抗体反応を持つようになると、私たちも考えている」
以上のようにWHOは「抗体はある程度の水準の免疫をもたらす」と認めたのである。「証拠はない」と断じていた前日の見解をみずから否定したわけだった。そもそもの発表が軽率で無責任だったとみなさざるをえないだろう。
コロナウイルスの国際的な感染のような事態への対応では国際機関のなかでも主体となるべきWHOがいったい、なにをしているのか、と問いたくなるような、お粗末な自己否定の一幕だった。
▲写真 テドロスWHO事務局長(2020年4月20日)出典:Tedros Adhanom Ghebreyesus facebook
事務局長のテドロス氏の数々のミスが指摘されるのも無理はない、と思わされる出来事だったともいえる。WHOの劣悪体質を反映すると批判されても、WHO側は反論が難しいだろう。
日本のメディアではこのWHOの当初の抗体効果否定声明だけが報じられ、その声明の取り消しはほとんど伝えられていないようだ。
トップ写真:WHOのロゴ 出典:flickr / Marco Verch Professional Photographer and Speaker
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