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米格付け会社、北朝鮮経済成長-6%と予測

Japan In-depth / 2020年6月5日 18時0分

一方、輸入品は1位が大豆油で616万3796ドル、2位はタバコの葉で158万4135ドル、3位は小麦粉で157万5015ドル、4位は砂糖の135万3687ドル、5位は名前未表示の薬品で104万7303ドルだった。


北朝鮮は、貿易額の95%を中国に依存していることから、貿易による外貨収入はほぼ途絶えたと言っても過言ではない。そうしたことから北朝鮮当局は、住民の外貨使用まで禁止している。



▲写真 金日成・金正日銅像 出典:pixabay by Alex Berlin


 


■ 外貨獲得を狙った観光開発すべて中断、国債販売も不振


観光開発の中心事業だった元山のカルマ観光地区開発は、いつ完成できるかわからない状態に陥った。そのために、そこで従事していた中心的軍人労働者は、平壌総合病院の建設事業にまわされた。


また4月に、外貨不足を埋めるために、2003年以来17年ぶりの国債発行に踏み切ったが、これも不振だ。償還日には紙くず同然となることがわかっているので、なかなか買い手が見つからず、国債の消化率は現在のところ8%に過ぎない。この問題解決のために金委員長の妹の金与正が陣頭指揮をとっているという。


 


■ 経済破綻で「闇ビジネス」と「盗み」が横行


こうした危機状況の中で、最近元山(ウォンサン)で「闇ビジネス」を全国展開していた秘密組織が、軍保衛司令部の手で摘発されたという。そこには除隊軍人や元山カルマ観光軸開発に従事していた軍人、そして職場青年や中高級学校の学生まで加わっていたとのことだ。現地の主要機関幹部には賄賂をばらまいて口封じを行っていたので、軍保衛司令部が直々出動したという。


また生活苦から、「苦難の行軍」時のような工場設備や鉄道架設電線を盗む事件が多発し、電力供給や鉄道運輸などにも大きな障害をもたらしている。


「元山闇ビジネス事件」があった直後、労働新聞は、5月26日に「思想・文化陣地を隙間なく固める事業の重要性」との論説を掲載し「われわれの革命的進軍を阻む挑戦と難関は、単に経済分野にだけ存在するのではない」としながら、「わが人民の革命意識、階級意識を麻痺させ、社会主義制度の根幹を揺るがして、われわれを内部から瓦解させようとする帝国主義者の思想的・文化的浸透策動は、いっそう悪辣になっている」と警鐘を鳴らした。


また続けて27日には「青年教養における重要な問題」との論説で、「社会主義を打ち建てるのは難しいが、それが崩れるのは一瞬だ。いくら強大な経済力と強力な軍事力があるといっても、人々の思想精神状態、青年の革命意識、階級意識が希薄になれば、社会主義の崩壊と破滅という悲惨な代価を払うことになる。これが世界の社会主義運動史が教えてくれる深刻な教訓である」と危機感を露わにした。


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