山尾志桜里氏、国民民主に入党届
Japan In-depth / 2020年6月17日 8時54分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
「編集長が聞く!」
【まとめ】
・山尾志保里衆議院議員が国民民主党に入党届。
・「新たな国家像・社会像を総合的なビジョンとして提示すること急務」と述べた。
・維新の会と国民民主党の一部による勉強会には参加せず。
山尾志桜里衆議院議員がまたサプライズだ。3月立憲民主党を離党したかと思ったら、今度は国民民主党に入党届けを出した。
6月16日国会内で記者会見した山尾氏は、会見前に平野博文幹事長を「突然お邪魔して」、入党届けを渡したと話した。事前に国民民主党の玉木雄一郎代表とは入党については一切相談しなかったと強調した。
会見で山尾氏は、「日本の新たな国家像・社会像を総合的なビジョンとして提示することが急務だ」とした上で、「新時代の人権保障とそれを支える統治機構、その背骨となる国家像・社会像を議論し可視化する重要なツールが憲法だ」と述べた。
国民民主党に入党した理由としては、玉木代表が先週記者会見で「ウィズコロナの時代のあるべき国家像・社会像、具体的には『憲法』論や『経済』政策の議論を精力的に進め9月をめどに取りまとめていく」と発言した事に共感した事を挙げた。
一方、時を同じくして、日本維新の会の馬場伸幸幹事長と国民民主党の前原誠司元外相らが、地方分権を掲げた勉強会を立ち上げた。16日の初会合には約40人の議員が参加した。野党再編、「第三極」の動きと受け止められている。
▲写真 ⒸJapan In-depth編集部
この勉強会に参加するのかしないのかを問うと山尾氏は、
「地方分権のあり方を考えるということだったか、動きを作っている人と直接話してないので正直わからない。(今日の設立総会に)参加しなかったのは今後参加するしない決めているわけではない」と含みを残した上で、「党派にこだわらず共通テーマを見つけて勉強して社会にビジョンを提示していく動きは、何ものにもとらわれずやっていけばいい。政局として受け止められるのか、中身のある政策活動として受け止められるのかは、オープンな議論の仕方と出していくアウトカム(結果)の質だと思うので、いろんな組み合わせで切磋琢磨していけばいい」と述べるに止まった。
「いま政治に必要とされているのは、政局ではなく、前向きな議論と本質的なビジョンの提示」であり、「ビジョンを更なる議論にさらすことで、よりよいモノへと変化させていく柔軟性」だと述べた山尾氏。
前向きな議論が必要だとの主張に異論はないが、いま政治に必要とされているのは、長期政権の緩みが顕著な安倍政権に相対峙するための野党勢力の結集だろう。
ある意味、新型コロナウイルス感染症の襲来は、「泰平の眠りを覚ます上喜撰」でもあった。国民が、政治は自分たちの命に関わるという極めてまっとうな事実に気づいたからだ。
野党は政権を奪取する気概が無い、と国民に三行半を突きつけられる前に、何らかの行動を起こさねばならないだろう。それがわかっているからこその今回の動きなのでは、と考える。しばらくは目が離せないだろう。
トップ画像:ⒸJapan In-depth編集部
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