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伝説の弁護士、世界的大都市のマネジメントできる? 東京都長期ビジョンを読み解く!【特別編】

Japan In-depth / 2020年7月1日 0時0分

第四に、都知事にできていないこと、できていることをわきまえた上の公約である。「〇をゼロにします!」という誰かさんの公約とは違う。「政府に要請する」など都知事としてできることを明記しているのが特徴だ。



▲写真 宇都宮けんじ候補 出典:宇都宮けんじ@utsunomiyakenji



3 疑問点


疑問点は3点。


(1)問題解決アイデアが貧困


「虐待のない人間の尊厳を尊重した介護保障を目指す」など理念的には素晴らしい政策が並んでいるし、問題意識は素晴らしい。しかし、問題は具体策。従来型の政策、つまり施設を整備したり、支援したり、組織作ったり、条例作ったり、、、、と、厳しい言い方をすれば「古い」。「どのように?」という問題解決の処方箋が少ない。デジタル・トランスフォーメーション(DX)などの活用への言及は少ない。


(2)現実感覚がない


「都営住宅の新規建設」というが、都営住宅の建設にかかるコストがどれくらいになるのかを考えているのかどうか。これだけ民間需要がある都市で公的住宅整備など、意味不明である。民業圧迫である。弱者対策なら、民間住宅入居支援・家賃補助でよいし、彼も提案している空き家活用などで十分であろう。


また、都立大の学費無償化を目指すことなども現実感覚がないことがわかる。都立大を学費無償化して、日本中から裕福な方が殺到したらどうなるのだろうか。都内高校生にとっては都立大は偏差値が高く難関でもあるのに、さらに入学しにくくなる。また、医学部設置なども言っているが、医学部設置のコストは膨大である。


(3)経営センス


「条例を制定します」、「専門職員を配置します」、「補助金の創設」、「〇を充実します」、「〇〇を設立します」という言葉が並ぶ。その数がとても多い。一時的に職員配置や補助金をしてしまうと何が起きるかわかっているのかどうか?疑問である。補助金の目的や新たな組織や新たな条例を作っても、機能させることが大事だという視点がそこからは感じられない。



4 評価


評価結果とその理由は以下になる。(☆は1~3で評価)


問題意識    ☆☆☆


【理由】生存権を守るという問題意識を持っている。



政策としての基礎条件   ☆☆


【理由】都政の研究や傍聴をしているだけある。



政策の具体性   ☆☆☆


【理由】できること、できないことの範囲を正しく理解。



政策の網羅性   ☆☆


【理由】網羅されている。経済政策がありきたりで弱い。



実行可能性   ☆


【理由】財政の見通し、制度の運用などマネジメントが弱い。


以上、感情を殺して文章を書きました。上記あくまで私の意見ですのでご参考に。繰り返しますが、特定個人を応援する目的で記載していませんので悪しからず。


トップ写真:宇都宮健児候補(左から2番目)出典:宇都宮けんじTwitter@utsunomiyakenji


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