「『相手の元を絶つ』装備が必要」小野寺五典衆議院議員
Japan In-depth / 2020年7月11日 11時42分
小野寺氏は、「まだ政府は何もこのことについて言及はしていない」と断った上で、「相手の元を絶つ」装備の導入を政策的に議論すべきとの考えを示した。「ここまでミサイル能力が上がってくると、議論しておかないと国民を守れないという心配を強く持っている」と話した。
小野寺氏はまず、現状のイージス・システムの限界を示した。一つ目は、弾道ミサイル技術と迎撃ミサイル技術との開発競争がいたちごっこで「大変な労力とお金がかかる」こと。二つ目は、弾道ミサイルを連続で打ち込まれた場合に持ちこたえられないことだ。
さらに、座して死を待つことは憲法の趣旨ではないと説明し、「憲法の制約はなく、あとは政策的にそのような考え方を取るかどうかだ」と述べた。
細川氏は、朝鮮半島情勢や米中関係の先行きが不透明な中で、日本と周辺国との二国間関係についてどのように考えるべきか、小野寺氏に聞いた。
小野寺氏は、北朝鮮の挑発行動、中国の尖閣諸島など日本沿岸での行動、ロシアの北方領土周辺での行動に言及し、「日本が何もしなくても周りの国はどんどん能力を高めてきている」と述べた。一方で、近しい関係にあるアメリカ、イギリス、オーストラリアなどの国々は現在、新型コロナウイルスによる経済的打撃を受けて、外に目を向ける余裕がないという。「今だからこそ、日本が独自にしっかり自分の国を守るということを強く意識しておかないと。頼るだけではだめだと思う」と述べた。
小野寺氏は、安全保障について議論する必要を述べ、宇宙・サイバー・電磁波といった領域の防衛について言及した。その上で、弾道ミサイル対策として「相手の元を絶つ」装備について議論することは「専守防衛のためにも必要」と再度強調した。
細川氏は国会での議論について、議員の姿勢など具体的な状況を聞いた。
小野寺氏は、「今まで政府は一貫して、そのような能力はアメリカに頼るという言い方をしているので、国会で議論になったとしてもかみ合わない」と指摘した。まず必要なのは、与党と野党との議論や政府と野党との議論ではなく、与党内で議論を詰め、国民の理解が得られると確信する段階まで至ることだという。小野寺氏は、「国会で議論になったときには私ども(与党)も野党や国民の皆さんに説明をする責任を負うから一緒にやっていこう、そういう後押しが必要なんだと思う」と述べた。
細川氏は最後に、「本当の危機は突然やってきて、その時に体制がないというのは1番困ったことになる」と述べた。パンデミックの危機に注目が集まる中、安全保障は「一番の根本的な危機管理」であるとして、その進展に期待感を示した。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年6月27日放送の要約です)
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トップ写真:©小野寺五典事務所
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