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インドネシアで中国人による過失致死

Japan In-depth / 2020年8月8日 18時0分


▲写真 コナウェ県モロシの「バーチュー・ドラゴン・ニッケル・インダストリー(VDNI)」 出典:VDNI


5月にはVDNIと同じくニッケル精錬工場の建設に関わっている中国系のステンレス鋼企業「オビシディアン・ステンレス・スティール(OSS)」で働く中国人労働者ドン・ミン容疑者がトラックを運転中に中国人労働者とインドネシア人労働者2人が乗るオートバイと道路上で衝突事故を起こし、バイクの2人が死亡する事故が起きたという。


この事故によりドン容疑者はリー容疑者と同じように「過失致死容疑」で起訴されて初公判を待っているが、有罪となれば最高で5年の禁固刑が科される可能性があるという。


 


■ 相次ぐインドネシア人事故死に反発


東南スラウェシ州のコナウェ県で続くニッケル精錬工場の建設計画は、ジョコ・ウィドド大統領の肝いりで始まった大型プロジェクトとされ、コロナ禍による厳しい外国人入国制限の中特例措置として6月以降これまでに約500人の中国人労働者が現地入りし、コナウェ県モロシにある工業地区に約5500ヘクタール規模のニッケル精錬工場の建設、整備事業などに関わっている。(※参考記事=6月25日「インドネシアに中国人大挙流入」)



▲写真 ジョコ・ウイドド大統領 出典:ロシア大統領府


ところがこうした動きに対し、主に学生団体などが「インドネシア人の雇用機会が失われる」「中国人が持ち込むことでコロナ感染が広がる」との懸念からクンダリ空港周辺で中国人労働者の搭乗機が到着するたびに反対デモが起きた。


しかし政府労働省担当官は「特例で入国した中国人は特定技能を有する技術者でインドネシア人熟練工でも代替できるものではない」「中国人労働者はインドネシア人技術者への指導を通じて技術移転も担っている」「精錬工場の仕事が終われば中国人労働者は帰国し、その後インドネシア人労働者約3000人を雇用する予定だ」「中国人労働者は全員がコロナ検査で陰性が確認されてから入国している」などとして地元の反対を正面から否定してきた経緯がある。


今回2件の過失致死事故が明らかになり、交通事故死とはいえインドネシア人労働者2人を含む3人が死亡していることから、地元の中国人労働者、中国系企業への反発が再び強まる可能性が懸念されている。


こうした事態に中国系企業2社は事故の容疑者を警察に通報し、捜査の結果起訴されていることを指摘して「中国人労働者といえども法の下では公正に対処している」との旨を強調し、地元民の理解を得て事態が深刻化しないようにと懸命に努力している。


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