1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

高知東生氏自叙伝「生き直す」発売に寄せて その1 自分の過去を公にした訳

Japan In-depth / 2020年8月26日 13時0分

すると高知氏は当然のごとく「俺、もう薬物は止まっているし、やりたいという気持ちもありません。それに過去の自分のことは誰にも話したくないし、とにかく執行猶予があけるまではそっとしておいて下さい。これまでも就職活動などしたんですが、皆さん、執行猶予明けるまでは難しいというので、そこまでは自分で頑張ろうと思います。」と答えられた。


ギャンブラー気質の私はここで賭けに出た。断られてもひるまず更なる攻めに転じてみたのである。


「高知さん、今何もしてくれない人は、執行猶予が明けても何もしてくれません。体の良い言い訳に使っているだけです。大切なのは『今』たった今なんです。それに高知さんの執行猶予がいつ切れるかなんて、高知さん以外誰も気にしちゃいません。こだわっているのは高知さん自身です。」


「執行猶予は謹慎期間なんかじゃありません。社会へ再起するために期間であり、無事社会復帰すれば刑は執行しないというのが本来の意味です。芸能界の勝手な「自粛」の嵐で、執行猶予期間が誤解され我々依存症からの回復を目指すものは迷惑を受けています。今こそ高知さんがどんな回復プロセスをたどっていくのか、発信して欲しいのです。これは高知さんにしかできません。高知さんの経験が役に立つのです。」


高知氏はこの言葉に意外にも「俺の経験が人の役に立つ?それは嬉しいね・・・」と独り言のように呟かれた。私は、その言葉を逃さず「そうです。高知さんが隠したいと思っている経験は、私たちには大きな価値があります。恥を価値に変えて欲しいのです。」とたたみかけた。


すると高知氏は、「俺が人の役に立てるとは思っていなかった。必要とされることは嬉しい。でも、他にも適任者はいるんじゃない?なんで俺なんですか?」と質問された。


そこで私はここでもう一歩大勝負に出た。「だって、高知さん大穴じゃないですか。薬物だけじゃなく、愛人とラブホテルでキメセクですよね。最悪ですよ。それでも回復できるってなったら、誰だって回復できるって思えますよ!」と言った。


高知氏は「大穴かぁ」と苦笑しながら「じゃあ、何かお役に立てることがあれば・・・」と言って下さった。


のちに聞いたところによると私のこの失礼を省みない直球勝負は「この人にはかなわない」というあきらめの気持ちと、ここまでスパっとはっきり言いきってくれるところに、どこか気持ち良さがあったと語ってくれた。


ギリギリで賭けに勝った私はこの時、「まずはJapan In-depthさんのニコ生で話しをさせて貰えないか?聞いてみよう。」と心の中で考えていた。



▲動画 Japan In-depthチャンネル「薬物問題を知ろう!」 https://youtu.be/qfhk_pOnpuE


(その2に続く)


トップ写真:JIDチャンネルに出演する高知東生氏と田中紀子氏(2019/03/21) 出典:Japan In-depthチャンネル


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください