最高裁判事死去でトランプ再選?
Japan In-depth / 2020年9月22日 13時59分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
宮家邦彦の外交・安保カレンダー【速報版】2020#39
2020年9月21-27日
【まとめ】
・米最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ女史、死去。
・それにより、トランプ氏再選の可能性が高まるかもしれない。
・最高裁が民主党案件をすべて潰すことも可能となるからだ。
先週久し振りで40年来の米国友人とウェブ上でチャットしたのだが、気分はあまり乗らなかった。先週メールアカウントを誰かに乗っ取られたのか、日程表が使えないからだ。筆者のアカウントを乗っ取ったって、秘密情報なんか何もないのにね。このところ、コロナ禍のせいか、やることなすこと、あまりうまくいかないことばかりだなぁ。
こういう週もあるのだと自分に言い聞かせつつチャットしていたら、何と件の米国友人は「RBGの逝去がちょっと早い『オクトーバーサプライズ』になるかもしれない」と言い出した。「RBG」とは、先日亡くなった米最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグ女史のこと。米国では有名なリベラルのフェミニストで国民の人気も高かった。
▲写真 故ルース・ベイダー・ギンズバーグ米最高裁判事 出典:Supreme Court of the United States
結論だけ言わせてもらえば、RBGの死により、トランプ氏再選の可能性が高まるかもしれない、ということだ。彼女の死でトランプは保守系の女性判事を最高裁に送り出す。これで保守対リベラルの比率は6対3となり、仮に、バイデン候補が勝って上院が民主党多数になっても、最高裁が民主党案件をすべて潰すことも可能となる。
詳しい話は今週の日経ビジネスOnLineに書いたのでお読み頂きたい。いずれにせよ、今頃、米国民主党系の人々は戦々恐々だろうが、それにしても絶妙のタイミングでRBGは亡くなったものだ。流石としか言いようがない。彼女の死が米国内政の健全なリベラリズムの死まで意味しないよう、祈るしかない。長年ガンと戦いながら、知的ユーモアを絶やさなかった小柄の女性闘士に心から哀悼の意を表したい。
▲写真 ジョー・バイデン候補 出典:Gage Skidmore
小柄の女性闘士といえば、台湾にも一人いる。その台湾で不思議なことが起きた。台北発ロイターによれば、台湾を訪問した日本の某元首相が、台湾総統との電話会談に前向きな姿勢を示す日本の新首相の言葉を伝えたことに対し中国が懸念を示し、同総統はそんな電話会談は予定していないと述べたというのだ。何だこれは?
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