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仏、コロナ対策に市民猛反発

Japan In-depth / 2020年9月30日 7時0分

さらに、第一波の時に、治療薬としてヒドロキシクロロキンを用いて有名人となったマルセイユ大学病院研究所長ディディエ・ラウルト博士(のちにヒドロキシクロロキンの効果も否定され、現在「感染症協会」(SPILF)のメンバーに9つの医師倫理規範違反を理由に訴えられている)が、政府のデータは間違っており、政府の発表では200%前後の満室状態であると発表されているマルセイユのICU(集中治療室)に、まだ余裕があるなど主張し、政府の判断に反論している。


また、閉鎖になったスポーツクラブなどからも異議の声があがっている。全国チェーンで経営されているスポーツクラブ「Neoness」は、今回の措置でパリとリヨン、ルーアン、マルセイユのを閉鎖することになった。今まで、完璧にコロナ感染防止対策を取ってきたのにもかかわらず閉鎖されることに納得ができず、7000万人の会員にアンケートを取ったところ、一日で1000万人から回答が返ってきたそうだ。そしてその60%は、今回の政府の対策に納得がいかないと返答しているという。また80%はクラブの運営方法に安全を感じており、95%が閉鎖が解除されたらすぐに戻りたいと考えており、実際の話、33クラブのうち、現在までに見つかった感染例は7件のみで、危険度はほとんどないと主張している。


このような動きのなか、「政府の対策を信用しているいるか?」というBFMTVによって発表されたアンケートによれば、前回のアンケート時よりも3ポイント下がった35%という過去最低の信用率となった。しかも、その怒りは政府にのみ向けられているわけではなく、ビアボイス研究所の分析によれば、60%のフランス人は、メディアがコロナのことを過度に語りすぎていると考えている。この数字に、もう、規制されるのにうんざりなフランス国民の姿が垣間見れるようだ。



▲写真 フランス美容室 出典:Flickr; International Labour Organization ILO


しかしながら、ここで問題なのは、国民たちは政府から与えられた規則をちゃんと守っていると主張しているが、それがまったく結果にでてきてないことだ。だいだい身近な例を見てみても、完璧に対策されているとはいいがたい。


例えば高校の構内は全員マスクが義務付けられている。しかし休み時間になると、生徒はマスク義務がない門外に出てマスクをはずし、大勢が密になってタバコを吸ったり雑談しているのだ。確かに、監視がある場所では規則は守られているが、監視が無ければ守られてないことが多いというの実情である。これが日本だったら、規則がそこまでなくても自発的にマスクするなどして予防策を講じ、監視がなくても過度なのではと思われるほど自分で予防をする人も多いだろう。フランスでは規則を作ってもその辺りが守りきれない人が多い。その結果、気が緩んだバカンスで大きく全国に流行が拡散したともいえるのではないだろうか。しかし、反対者は、それは政府の対策が悪いからであると考えているのだ。


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