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米大統領選、バイデン優勢変わらず

Japan In-depth / 2020年10月6日 19時0分

今回の討論会はエンタメそのもので、大勢に影響はないのではないか。それに比べれば、トランプ氏のコロナウイルス感染と入院のニュースの方がはるかにインパクトがある。病状は徐々に回復しているそうだが、本当か。酷い大統領候補者ではあるが、それでも「一日も早い回復をお祈りする」、これが大人の対応というものだろう。


いずれにせよ、世論調査では50-53対42-44でバイデンがリードしている。討論会開始前とあまり変わらず、バイデンが少し増えた程度だが、そもそも現時点で迷っている無党派は少ないとの調査結果もある。多くの大統領選挙は激戦州での浮動層の数%の動きで決まることが多いので、大統領入院で、また先行きが見えなくなった。



▲写真 バイデン候補 出典:Utica College Center of Public Affairs and Election Research


今後は、10月7日に副大統領候補者による討論会(ユタ州ソルトレークシティー)、10月15日に第2回大統領候補者による討論会(フロリダ州マイアミ)、10月22日に 第3回大統領候補者による討論会(テネシー州ナッシュビル)が予定されているが、本当に討論会なんてやれるのか、状況は星雲状態と言って良いだろう。


もう、正直言って、トランプの動静を追っかけるのは疲れた。今週筆者が最も懸念するのは、ナゴルノカラバフ情勢だ。1994年に停戦になったはずの紛争だが、過去一週間のアゼルバイジャンとアルメニア両国間の武力行使の応酬は従来と違う何かを感じさせる。欧米が無関心な中で、大問題に発展することを恐れる。


最大の理由は、この問題にトルコ、イラン、クルド、ロシアなど中東・中央アジアのややこしいことを平気でやる国々が直接・間接に関与していることだ。大統領の入院騒ぎで米国政府はほとんど脳死状態だろうから、ロシアやトルコがやりたい放題やる可能性がある。民主主義の下で立派な外交をやるのは実に難しいなと痛感する。


 


〇 アジア


今週日本で日米外相会談と、日米豪印のQuad外相会合がある。このコロナ禍の中で、米大統領入院の騒ぎの中で東京で開かれること自体、意義があるということ。


 


〇 欧州・ロシア


上記のナゴルノカラバフ問題で仏大統領が色々発言している。フランスは正論を言うのだろうが、EU全体が連携しているように思えない。これではロシアにやられる!


 


〇 中東


茂木外相がサウジを訪問、同国の新エネルギー戦略や脱石油に向けた経済改革を話し合ったそうだが、それって30年前とどこが違うのかね?サウジは変わらない。



▲写真 茂木外務大臣 出典:Flickr; The Official CTBTO Photostream


〇 南北アメリカ


トランプ氏は軍の病院で治療を受けた後、病院を一時抜け出して、支持者のいる公道で車内から手を振っていた。トランプ氏の主治医にだけはなりたくないものだ。


 


〇 インド


特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


トップ写真:トランプ大統領 出典:Flickr; Gage Skidmore


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