1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

仏悩ます移民問題と警察の暴力

Japan In-depth / 2020年11月27日 19時32分

仏悩ます移民問題と警察の暴力




Ulala(ライター・ブロガー)





「フランスUlala の視点」





【まとめ】





・パリ郊外の広場を移民労働者が不法占拠。警備隊が撤去に乗り出す。





・警備隊の移民やジャーナリストへの暴力が問題に。





・コロナ禍で冬を控え約1万3千人が移民キャンプで生活。社会問題に。









11月23日、フランス・パリのレピュブリック広場に約400人の移民労働者が集まりテントを並べ不法に占拠した。そこで、警察などの警備隊が解散させようとしたところ大きなもめ事に発展。現在、警備隊によるいくつかの暴力行為などが問題になっている。





はじまり





ドイツのアンゲラ・メルケル首相と行われた2017年6月23日の記者会見で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がはっきりと言っているが、フランスは、伝統と誇りにかけて、移民を受け入れている。移民と一言でいっても、働き口を見つけるために来る移民労働者のことではない。戦争で自国に住めなくなったり、政治で迫害された難民や亡命者を受け入れているのだ。そして、7月27日マクロン大統領は難民・亡命認定を求める移民に住居を提供することを公約として掲げた。





▲写真 エマニュエル・マクロン仏大統領 出典:Jacques Paquier



その流れを受け、中東、アフリカ、東欧などから多くの移住を求める人々がフランスにたどり着いており、現在は、パリ市北東部とパリ郊外のセーヌ=サン=ドニ県に自然発生のように大きな移民キャンプができている。野外で生活するがため、衛生状態の悪さが常に指摘されており、各地で定期的に一時滞在施設への一斉移動が行われている。警備隊とともにバスがやってきて、野外生活している人々を屋根がある一時滞在施設まで連れていくのだ。しかし定期的に行っても2,3日もすればまた人が自然に集まってくるため、セーヌ=サン=ドニ県内だけでもすでに65件行われてきた。そして先週の火曜日に66件目の大移送が行われたのだ。





9月には230人だったキャンプだが、11月の時点で約2000人に増加しており、亡くなった方もでて問題にもなっていた場所だ。そこで移送が決まったが、移送前夜には一時滞在施設に行けるバスに乗ろうとさらに約1500人が集まりキャンプの人数は約3500人にも膨れ上がった。3500人と言えば、フランスでは小さなの町が形成されてもおかしくない規模である。移送し、宿泊先を用意するだけでも大変な作業だ。結局、この時は全員がバスに乗れず、約700人が残されたのだ。





この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください