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比、初潜水艦はフランスから?

Japan In-depth / 2020年11月29日 18時0分

ASEANの潜水艦保有国の中でシンガポール以外のマレーシア、ベトナムは南シナ海で中国と直接領有権問題を抱え、インドネシアは南シナ海南端のインドネシア領ナツナ諸島の北方海域に広がる排他的経済水域(EEZ)への中国漁船の侵入、不法操業という問題に直面している。





こうしたことから東で太平洋に面し、西で南シナ海に面しながら唯一潜水艦を持たないフィリピン政府や海軍にとって「潜水艦保有」は長年の宿願だった。





■ 「ロシアや韓国」も導入先候補に





2018年6月にはフィリピンのデルフィン・ロレンザーナ国防相が潜水艦導入計画で「ロシアと韓国を視野に入れている」と発言したことが地元紙に報じられた。





▲写真 デルフィン・ロレンザーナ国防相(2018年12月19日) 出典:Joey O. Razon for the Philippine News Agency (public domain)



ロレンザーナ国防相は「海軍近代化プログラムの中で潜水艦を導入する方針を決めた」と改めて強調し「ロシア、韓国そしてそれ以外の国も視野に入れている。潜水艦の建造には5~8年かかるため、なるべく早く発注したい」との意向を明らかにした。





この時もロレンザーナ国防相は「隣国であるマレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムは潜水艦を保有しているのに、フィリピンだけが持っていない。フィリピンの安全保障のためにも潜水艦は必要だ」として、潜水艦保有への熱い思いを語っていた。





■ コロナと潜水艦導入と難しい舵取り





「海軍グループ」関係者は潜水艦導入計画が今後具体化すれば「乗組員の教育訓練に加えて潜水艦の運用、修理点検整備など全ての面でフィリピン海軍と協力関係を築くことができる」として全面的にサポートする姿勢を強調している。





ただ、ドゥテルテ政権は他の主要ASEAN加盟国と同様に現在は深刻なコロナ禍とそれに伴う経済不況に直面している。新型コロナウイルスの感染者数、感染死者数ではフィリピンは域内でインドネシアに次ぐワースト2を記録し続けているのが実態なのだ。





こうした未曾有の事態で一般国民がコロナ感染とそれに伴う失業や生活困窮などに喘ぐなか「いくら国防のためとはいえ潜水艦導入を今積極的に進める必要が本当にあるのか」との意見も根強い。





このためドゥテルテ大統領としては、コロナ対策に専念する一方で「潜水艦導入」というフィリピンの長年の夢を実現するために難しい判断が今後求められることになるのだけは間違いないだろう。





トップ写真:比が導入を検討しているとされる「スコルペヌ型潜水艦」 出典:Mak Hon Keong




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