テレワークが見直される【2021年を占う!】働き方
Japan In-depth / 2020年12月29日 10時58分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・2020年は新型コロナのせいでテレワークが普及。
・社内のコミュニケーションが減少、創造的な仕事には支障が。
・2021年は働き方と人との付き合い方が見直される。
2020年は新型コロナのせいでテレワークが普及した。最初は戸惑いもありつつも、意外とやってみたらいいじゃないか、という反応を去年は良く耳にした。2021年はどうだろうか?
■ 働き方
通勤時間が節約できるし、電話や無駄な会話が減り、仕事に集中できて効率が上がる。そう、思った人も多かったろう。なにより、嫌な上司の顔を見なくて済むのは大きい。(笑)
しかし、それも半年以上続くと、だんだんと不便な点も分かってきた。まず、色々なオンライン会議システムがあり、相手の会社のシステムの関係で自分が慣れていないものを使わざるを得なかったりすると、勝手が分からずやりにくいことがある、とか、回線の関係で声が割れたり、映像が落ちたりする、とか。まあ、そうした問題はテクニカルなものであり、ある程度慣れでなんとか解消するのでそう深刻ではない。
問題は、会社の中のコミュニケーションが滞ることだ。皆が職場にいるときは、ちょっと声をかければ確認できるようなことも、いちいちメールしたり、slackに書き込まなくてはならなくなった。これは結構なロスだ。それに、会話ならスムーズにいくものも、文字でのやりとりだとなんとなく気持ちが伝わらないことが往々にしてある。文面が妙にビジネスライクだと、相手が気分を害しているのではないか?などと邪推してしまう経験、誰しも1度ならずあろう。
かつて職場では、普段のなにげない会話で色々なアイデアが出たものだ。それがコロナでなくなった。ソフトバンク株式会社代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏が、創造的なアイデアはやはり職場で色々な部署の人間が交流して生まれるものだ、と言っていたが、まさにその通りだ。
▲写真 イメージ 出典:Pixabay
隣に同僚がいれば、「こんなアイデアあるんだけどどう思う?」と気軽に聞けるのに、今はそれが出来ない。テレワークは実は企業の中長期的生産性向上には向かないのではないか?と思えてきた。
もちろん1人で集中した方が良い仕事はあるだろう。しかし、何か新しい物を生み出そうという時には、人と人とのインタラクションが不可欠だと実感しているのは筆者だけではあるまい。
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