仏、コロナ死減少も警戒続く
Japan In-depth / 2021年1月13日 19時0分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランスUlala の視点」
【まとめ】
・夜間外出禁止の仏。英独に比べ死者は減少。東部では感染再拡大。
・変異種の感染例相次ぐ。英国との国境閉鎖、飲食店の営業再開延期。
・羽目を外したクリスマス以降の感染状況はこれから。要警戒続く。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、夜間外出禁止、6人以上の集まりを禁止するなど規則を強化しているフランスであるが、新年早々からその規則を守らない人たちの話題がニュースをにぎわせた。北西部リュロンでは新年を祝う違法なレイブパーティーが開かれ、約2500人が参加したあげく警察との衝突に発展し、車が放火されるなどの騒ぎも起こったのだ。
だいたい、フランスでは身近でもそのような話は尽きない。年末を祝うために家族が集まったのであろう10人以上いる集団が散歩に来ていたり(しかも複数グループ)、普通に「週末の夜、アペリティフで集まらない?(夜間外出禁止であるため朝6時まで帰れない)」との誘いがいまだにくる。こういった状況を受け、「これだからフランスでは感染が収まらないのだ」とため息が止まらない人も多いのではないだろうか。
しかしながら1月に入っての結果はその不安を裏切るものであった。規則を守らない人が多く、一見、危機感がまったくなさそうなフランスだが、なんと、その日あたりのコロナによる死者が、ドイツや英国など近隣の国の中で一番少ないのだ。
早めに行動制限したフランス、一定の成果
1月10日にEUROPE1に出演したオリヴィエ・ヴェラン保健相は、「新規感染者数は依然として多いものの、現時点では隣国より感染を抑えられている状態であり、学校を閉鎖するレベルでもない」と胸をはって答えた。確かに、フランスは11月の一時期は、死者数も一気に増加したものの、現在は、確実に減少傾向にある。反対にドイツ、英国は現在いきおいよく増加し続けており、その数はフランスのピーク時を超える状況だ。
▲写真 オリヴィエ・ヴェラン保健相 出典:在日フランス大使館ホームページ
ヴェラン保健相によれば、それは10月30日から早めに外出制限などの対策を取ったことが功を奏しているという。早い決断が、感染拡大を急速に激減させたのだ。違法なパーティーを開催する一部のフランス人や、規則を守らない人が目につくのは確かではあるが、それでも大多数のフランス人は規則を守って自己防衛しており、政府が行った感染対策は一定の効果をあげているようだ。
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