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皇居の関西移転案とは

Japan In-depth / 2021年1月20日 12時0分

松沢氏はこの講演で現在の日本が直面している課題として東京一極集中と地方の過疎を指摘し、首都としての東京のこんごのよりよきあり方を含めて、その有効な対策は皇居の移転だと大胆に述べたのだった。





松沢氏はいまの天皇や皇室の制度の下に統合を果たしている日本の体制への高い評価を説明したうえで、東京一極集中の切迫した諸問題の解決策として皇居の関西移転を提案するのだった。





皇室が明治初期に京都から東京へ居を移すまでは関西が日本の文化の中心だった輝かしい歴史があり、天皇の権威と政治の融合による近代・日本の形成は東京での皇居の存在によってすでに満たされたため、政治の首都は東京のまま、文化の首都を皇居とともに京都あるいは関西の他の地に移すべきだとも述べた。





現在の皇居となっている江戸城跡については松沢氏はかつて江戸の空にそびえていた天守閣再建計画を紹介した。江戸時代に大工棟梁であった家に伝わる設計図を基に復元を目指すという。そしてその財源は税金ではなく民間資金でまかなうことが可能であると述べ、このような文化財の保存事業は実物の保存、技術(城大工・宮大工)の継承、観光業への貢献といったメリットがある、とも強調した。





▲写真 江戸城跡地 出典:getty images;John Banagan



松沢成文議員のこの皇居移転案の理由について、同議員の前述の著書からもう少し引用して、紹介しておこう。





「皇居の京都への移転が実現すれば、東京は政治・経済の中心地、そして京都と関西が文化・経済の中心地という二元的な国家構造を持つことになり、東京の一極集中を緩和し、地方分権につながっていく。そして皇居が京都御所に還ることによって現在の皇居は江戸城址として再整備ができ、御所は両陛下の離宮として一部を残しながら、博物館、美術館などに転用できるし、ニューヨークのセントラルパークのような緑豊かな公園として、また都民、国民、観光客に憩いの場として開放できる」





「万世一系による2600余年の悠久の歴史を紡ぐ天皇制は、欧州などの王室とは異なる独特の価値を有しており、日本の誇る至高の財産とも言えよう。天皇制を頂く日本の立憲君主制は日本が誇るべき国家体制である。しかしながらこの天皇制において皇居が東京にある必然性はない。そもそも明治元年に明治天皇が旧江戸城に入られ、翌年に政府が京都から東京に移されたこと自体、もとの都を廃する『遷都』ではなく、あくまで新しい都を定めるだけの『奠都(てんと)』だという専門家の研究や意見もあるのだ」





なるほど理にかなった議論として響く。このままでは中期、長期の衰退だけが予測される日本の新しい国づくりの指針として考えてみてもよい提案であろう。





トップ写真:皇居 出典:getty images; Vladimir Zakharov









【訂正】2021年1月20日





本記事(初掲載日2021年1月20日)の冒頭で松沢成文氏のお名前を間違った箇所がありました。お詫びして訂正いたします。本文では既に訂正してあります。





誤:参議院議員松沢文氏





正:参議院議員松沢文氏




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