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人権活動家、バイデン政権不安視

Japan In-depth / 2021年1月29日 23時0分

 ・1989年の天安門事件の学生指導者で現在はアメリカで学者として活動する王丹氏は「バイデン氏の『中国に国際規範を守らせる』という言明は空疎に響く。中国共産党政権は本質的に国際規範など守らないからだ。中国に国際規範を守らせるには共産党政権を除去しなければならない。この点ではトランプ政権の認識が正しいと思う」と語った。ただし王丹氏も今回の選挙では実際にはトランプ氏が勝っていたとする根拠のない説を信じているようだ。





 ・中国の新疆ウイグル自治区出身のウイグル人活動家でアメリカ在住のサリス・フダヤー氏は「トランプ政権は中国政府のウイグル人弾圧に対して全世界の他の政府すべてを集めた以上に多くの抗議や制裁の措置をとってくれた。だがバイデン政権には懸念を抱いている。バイデン氏とその側近の過去の言動から判断すると、新政権はウイグル問題で中国政府と対決するという姿勢はうかがわれないからだ」と語った。





 ・欧州在住の中国人民主活動家で著名な詩人の艾 未未氏は「私はトランプ支持者ではないのだが、バイデン氏を支持するソーシャルメディアのツイッターやフェイスブックがトランプ氏の発信を止めたことは中国共産党の独裁的な検閲と変わらない。そんな検閲に支持されるバイデン氏の統治はきわめて危険だと思う」とユニークな意見を述べた。





 ・昨年11月にトランプ政権のホワイトハウスに初めて招かれたチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相の側近もチベット問題への政策に関してはトランプ政権の対応が最も頼りになったと述べ、バイデン政権では中国の激しい反発に配慮して、そうした政策はとらないだろうという予測を語った。





 ・ミャンマー国内の少数民族カチン族のキリスト教指導者カラム・サムソン氏は2019年にトランプ政権のホワイトハウスに招かれた体験を基礎に「カチン問題に関してはトランプ政権がバイデン政権より好ましかったということになるだろう」と語った。ホワイトハウス訪問ではサムソン氏は1人で1分間以上、語ることを許され、トランプ大統領自身が熱心に耳を傾けてくれたと感じた、というのだった。





 ・ベトナムで共産党政権を批判し、逮捕された経歴のあるグエン・カン氏は「アメリカの主要メディアがバイデン陣営を支持し、トランプ陣営を酷評することには、ベトナム国内で民主主義を支持する活動家たちの間では批判がある」と述べた。微妙な形でトランプ大統領を民主主義のより活発な推進役と認めているような論評だった。





ニューヨーク・タイムズのこの記事は以上のように伝えながらも、そこで登場させたアジアの民主主義の活動家や指導家の多くはアメリカ国内でのトランプ支持層からの虚偽情報や陰謀説に悪影響を受けている面もある、と指摘していた。





だからアジアでの「トランプ政権は民主主義という観点からはバイデン政権よりもよかった」という認識も当てにならないと示唆しているわけだ。しかしその一方で、それでもなおアジアの当事者たちの直接のトランプ政権への賛同や賞賛の言葉を否定することはできない、と総括している点には重みがあるといえよう。





***この記事は日本戦略研究フォーラムの古森義久氏の連載コラム「内外抗論」からの転載です。





トップ写真)ドナルド・トランプとジョー・バイデン 大統領選挙前の最終討論





出典)Chip Somodevilla/Getty Images





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