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仏、亡命希望者が施設長殺害

Japan In-depth / 2021年2月23日 18時0分

無事にフランス生活が始まったものの、男は2017年1月23日にIsard-COSにて他の入居者に対して暴力事件を起こした。そのため拘置所に収容され、裁判により2年の懲役(6か月執行猶予)を言い渡されたのだが、男はさらに2017年8月9日に凶器を伴う暴力事件を起こし、刑務所に服役したのだ。





その結果、CNDAによってようやく受けれた認定だったのにもかかわらず、フランスへの亡命申請は却下されることとなった。OFPRAは男を2回呼びだした。居住許可が2020年11月9日で打ち切られるためだ。しかし男は、約束の時間にくることはなかった。そんな状況の中、男は刑期を終えたあと適切に扱われていなかったと不満を抱いていたようだ。男はなんとかフランスの滞在許可を得ようと、この数日Isard-COSに通っていた。





19日、朝、10時半ごろにまたやってきた。車通りもかなりある大通りに面した場所にあるIsard-COS施設内には、その日15人ほどの職員が働いていた。亡命希望者がIsard-COSに出入りをするのは普通のことであり、男もなんの不審な動きをしなかったので誰も気にもとめなかったという。





男は施設に入ると、被害者の部屋に直接向かった。男の供述では部屋に入った時、被害者はコロナ対策として密室にいるのはよくないので外に出ようと声をかけたそうだ。しかし、男は外にでることなくそのまま持ってきたナイフで被害者を刺し始める。その数は13回にのぼった。





被害者が叫び声を出したため、声を聞いた職員が駆けつけたがすでに遅かった。被害者はまだ息はあった。だが、のども切られており、最終的には搬送された病院で約一時間後に息を引き取ったのだ。亡くなった被害者は、二人の子供の父親でもある、経験豊富なソーシャルワーカーであったという。責任者として6年間務めており、その間の評判もよく、繊細で困難な状況を管理する方法を知っていた人物であった。





連絡がありすぐに警官がかけつけたときも男は暴れることもなく、そのまま拘束されていった。そしてすぐに警察署で自分がやったと自白したのだ。一時はテロリストではないかとの憶測も流れたが、テロを起こす意思はなく、ただ、ただ、内戦が起こっているスーダンに送り返されることにおびえていたという。警察で行われた精神鑑定でも異常は見られていない。









▲写真 パリ、フランス 2020年10月17日:行政権、住居、行政拘留センターの閉鎖を求める大規模な抗議デモを行う移民らとその支持者達。(パリ、レピュブリック広場) 出典:Siegfried Modola/Getty Images





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