1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

米、インド太平洋外交始動

Japan In-depth / 2021年3月16日 23時0分

そもそも当時は米側閣僚が揃わない。「国防長官と国務副長官または国務長官と国防副長官による2+2なら可能」と言われ、何度かそれを受け入れた。外務省HPには「開催時期は不定期だが、安全保障上の重要な節目に」開かれるとあるが、90年代前半まで2+2は米側閣僚が揃わないため頻繁には開催されなかったのである。





状況が変わったのは90年代後半からだ。1996年12月にはSACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告発表、97年9月にはガイドライン(日米防衛協力のための指針)改定発表で2+2が開かれた。筆者が北米局日米安全保障条約課長に就任したのは98年8月だが、この頃から2+2会合の開催頻度は増え始める。





1998年9月には弾道ミサイル防衛の技術研究合意、2000年9月にはHNS(駐留軍経費)削減の特別協定署名のために2+2会合が開かれた。筆者はどちらも直接担当したが、特に2000年の会合では準備が徹夜となり、ニューヨーク最高のホテルに宿泊しながら、ベッドで寝たのは30分だけ、という恐ろしい思い出がある。





最近2+2会合はほぼ毎年のように開かれているが、今回の東京での2+2は特に意義深い。バイデン政権のインド太平洋重視を象徴するような議題とタイミングだからだ。日韓との2+2会合開催後、国防長官はインドへ向かい、国務長官はアラスカで中国の外交当局者と会談する。来週はこの一連の動きを総括したい。





〇アジア  





混乱が続くミャンマーで、14日、ヤンゴンにある複数の中国企業の工場が襲撃され、窓ガラスが割られて放火されるなどの被害が出たそうだ。クーデターがあろうがなかろうが、民衆レベルでの対中感情は決して良好ではないことを示すのだろう。中国にとっては決して良いニュースではない。





〇欧州・ロシア 





14日、ドイツ西部2州の州議会選挙で、メルケル首相率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)がいずれも過去最低の得票率で敗北したそうだ。これは一体何を意味するのか。彼女は次期総選挙で引退するはずだが、その後のドイツ内政の混乱を暗示するものでないことを祈りたい。





〇中東 





10日、地中海の公海上をシリア向けに航行していたイランのコンテナ船で不審な爆発が起き、小規模火災が起きたそうだ。先日はペルシャ湾でイスラエル船舶が攻撃を受けたが、今回はその報復なのだろう。相変わらず、米イラン間の代理戦争は続いている。この程度の攻撃であれば、想定内のジャブの応酬で済むのだが・・・。





〇南北アメリカ 





米政府高官は、北朝鮮の核開発問題などを巡り、バイデン政権が2月中旬から水面下で北朝鮮と接触を試みているが、何の反応も得られていないと述べたそうだ。このタイミングでのリークは、明らかに韓国の文在寅大統領に対するシグナルだろう。米国は韓国を通さずとも直接北朝鮮とコンタクトできるということだ。





〇インド亜大陸 





特記事項なし。





今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。





トップ写真:ジョー・バイデン米大統領 出典:Angerer/Getty Images




この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください