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同調(圧力)よりカネ配れ!(下)日本メルトダウンの予感 最終回

Japan In-depth / 2021年4月2日 11時0分

いずれにせよ、これまで就職・再就職のあっせんをしてきたハローワークの職員たちが、失業の危機に直面しているのである。





これひとつ取ってみても、政府がコロナ失業の問題に真剣に向き合っていないことは明白ではないだろうか。





失業の原因がコロナであると認められれば、雇用保険(世にいう失業手当)の受給資格など、様々な優遇処置が講じられることになっているが、そうであれば、雇用保険を扱うのもハローワークなのだから、窓口の負担は確実に増しているはずだ。よりによってこの時期に、どうして経費削減などという発想が出てくるのか。





これは前にも触れたことがあるが、このように「自助・共助」の道をさぐる人たちの足を引っ張るようなことをしておいて、給付金の支給を渋り続け、





「いざとなれば生活保護がある」





などとうそぶいていたのが、菅政権である。その際も指摘したように、実際に生活保護の申請や相談で役所の窓口を訪れた人のうち、実際に支給が受けられるのは7%に満たないというのに。





ひとつ補足しておくと、ここまで受給のハードルが高い理由は「扶養照会」というシステムがあるせいだ。





申請に際しては、家族関係などを書類に書き込む必要があり、それに基づいて、





「この人を扶養できませんか」





といった問い合わせがなされるのである。





生活保護がないともはや生きてゆけない、というような人は、往々にして何年も家族と連絡を取っていなかったりする。自己責任、と言い切ってしまうのは酷薄に過ぎる事情を抱えている人も少なからずいる。そもそも、社会保障と国民それぞれの家庭の事情に、本質的な関係性があるのだろうか。





何年も会っていない近親者に、困窮している状況を知られたくない、まして迷惑などかけたくないと、申請を取り下げるケースが後を絶たない。律儀な人ほどセーフティネットから漏れてしまうのが実情なのだ。









▲写真 出勤風景 東京(2021年3月22日) 出典:Yuichi Yamazaki/Getty Images





前回、マスクや時短の意問題を「同調圧力」という言葉で表現したのも、根底にはこうした問題意識があった。





堀江貴文氏の「マスク騒動」を引き合いに出したのも、話がここにつながってくる。





GoToを利用したり、遠くの町まで餃子を食べに行けるような人の声は、ネットを通じて反響を呼ぶが、コロナのせいで生活基盤を失わんとしている市井の人たちの声には、政治家もネット民も耳を貸そうとしない。





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