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補選与党完敗 文在寅レイムダック化

Japan In-depth / 2021年4月9日 15時6分

2つ目の特徴は、与党「共に民主党」のなりふり構わない給付金バラマキとネガティブ攻勢に選挙民が耳を貸さなかったことだ。





3つ目の特徴は、野党候補に対する選管、警察、メディアなどによる組織的攻撃が露骨だったことだ。





中央選挙管理委員会(選管)は中立と公平を守らずに、露骨に与党を擁護した。与党の選挙スローガンには甘く、野党にはいちいち難癖をつけたが、こうした選管の偏向した動きはこれまでにはなかった。呉世勲候補の妻が、税金を30万ウオン余分に納税したことまで虚偽記載として選挙日当日投票所に告示した。





また呉世勲候補に対する告発があったとして、投票日に警察が捜査に入ると発表したり、KBSを始めとした地上波テレビ局が与党候補に有利な報道を行ったりした。特にTBSラジオの「キム・オジュンのニュース工場」は露骨だった。年間30億円の予算をもらう公共放送でありながら、与党支持者だけを登場させ、一方的キャンペーンを行った。しかし、今回選挙民は、与党側のこうした露骨な扇動に惑わされることはなかった。





3、選挙後の政局展望





今回選挙での野党「国民の党」の完勝は、今後の韓国政局に大きな影響を与えることになる。その根底には、与党惨敗による文在寅政権の完全なレイムダック化がある。これで政局は一気に大統領選挙に向けて動き出すことになるだろう。その中心にはユン・ソギョル(尹錫悦)前検察総長がいると思われる。









▲写真 ユン・ソギョル(尹錫悦)前検察総長(左)とキム・ミョンス最高裁長官(右)2019年7月26日 出典:Supreme Court of Korea





今後政界再編の風が吹くのは確実な情勢だが、特に野党側の再編が加速すると思われる。「国民の力」主導で再編されることが予想されるが、ユン前検察総長がどのような形でそこに関与していくかによって様々なケースが出てくる。





一方与党は、責任のなすりつけ合いで分裂が始まるだろう。今回の敗北で、前党首のイ・ナギョン(李洛淵)氏は大統領候補から大きく後退した。彼に代わってチョン・セギュン(丁世均)総理など第3の候補が登場する可能性が高くなった。





文在寅派に対抗するイジェミョン(李在明)京畿道知事の動きも活発となるだろう。彼と親文派との対立激化は避けられないと思われる。文在寅大統領から距離を置くだけでなく、脱党を求めるかもしれない。それが受け入れられなければ新党の結成に向かう可能性もある。





今回の選挙結果は、とりあえず韓国における自由民主主義勢力復活の可能性を見せた。これで文在寅政権の反日的政策が変わるとは思われないが、日韓関係にとって好材料であることは間違いない。





トップ写真:韓国・文在寅大統領 出典:Jung Yeon-Je-Pool/Getty Images




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