仏で大注目のコロナ情報サイト
Japan In-depth / 2021年4月18日 23時0分
そこで、いろいろ改善し、2番目、3番目、4番目のグラフを載せた。ついには自分の名前のドメインを使用するのはやめ、「COVIDTRACKER」という名前のドメインをとりデザインも手直ししたのだ。その後、毎日手に入る範囲のデータで、更新続けた。
■ オリヴィエ・ヴェラン保健相からの連絡
コツコツと更新を続けた結果、サイトのアクセスは大きく伸びていった。政府もコロナに関するデータを掲載するサイト「Geodes」を持っているが、ロジエ氏いわく、あのサイトは見にくいのだ。知りたい情報を瞬時に手にいれるのは難しい。ロジエ氏自身も知りたいデータに辿りつくまでに15分の時間を要したという。しかし、「COVIDTRACKER」は、視覚的にわかりやすいグラフがメインで構成されており、使い方もシンプルである。知りたい情報をいち早く、わかりやすく確認できるのである。
「COVIDTRACKER」は、多くの人の口コミで有名になった。そしていくつかのテレビにも出演することにつながった。そんなある日、フランスのテレビBFMTVに出演した際に予防接種の接種状況のページの追加について語っていたところ、なんと、数日後にヴェラン保健相から電話がきた。保健相は、「COVIDTRACKER」をずっとフォローしていたことを語り、彼のサイトがいかに素晴らしく、非常に明確であると感じたことなどを伝えたという。そして、最終的に政府のデータの提供を申し出てくれたのだ。
▲写真 ベラン仏保健相(2021年1月12日) 出典:Aurelien Meunier/Getty Images
その後、提供されたデータと、医者や予防接種の予約がネット上でできるサイトDoctolib、KelDoc、Maiia、Ordoclicを結びつけ、自宅の近くで予防接種ができる場所と日時をリストとして表示し、そこから直接予約できる「ViteMaDose」というページを作り上げた。
これはかなり画期的だった。次々と予防接種ができるセンターが増加するが、電話予約はなかなかつながらず、予約サイトで探すも、どう探せばいいのかもわからないフランス国民が続出していた中、「ViteMaDose」にアクセスすれば近くの会場のリストが表示され、その上、会場を見つけたらすぐ予約できるサイトに飛べるおかげで、迅速に予約できるようになったのである。
ロジエ氏は、すでに存在している点と点を線で結び、ユーザビリティの高いサイトで多くのフランス国民を助けることを実現したのだ。また、このサイトを使用し、今後のベッド数や人員のニーズを予測するために使用している病院もある。
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