バイデン氏次男、告白本で疑惑触れず
Japan In-depth / 2021年4月21日 23時0分
▲写真 ハンター氏(左)、バイデン大統領(中)、脳腫瘍で亡くなった実兄のボー・バイデン氏(右)(2009年1月20日) 出典:David McNew/Getty Images
ハンター氏は同書では一般が期待した中国やウクライナに関与する不正疑惑についてはほとんどなにも述べず、疑惑の証拠とされたコンピューターについても語らなかった。
しかしメディア側は同書に関心を持ち、数局のテレビ局がハンター氏を招いて、インタビューした。そのなかのCBSテレビのインタビューでは記者が問題のコンピューターについてもずばりと質問をした。そのコンピューターはあなたのものか、誰のものか、という問いだった。その答えとしてハンター氏は次のような言葉を発した。
「私のものだったかもしれない」
「いや、しかしよく覚えていない」
「私はとにかく人生に多くの問題を抱えて、混乱が続き、よく覚えていないことが多いのだ」
「でももしかすると、ロシアの工作かもしれない」
「だが私の所有物だったかもしれない」
以上のような曖昧な言葉がぽつりぽつりと述べられたのだった。この不明確な言葉の羅列を総括してみると、その問題のコンピューターがもしかすると自分の所有物だったかもしれないことを認めているとも解釈できる。少なくとも否定はしていない。
ところがその一方で「ロシアの工作」という言葉もハンター氏は口にした。だから全体としてなにを言いたいのかわからず、とにかく記憶がないという点を強調したかったのだとも受け取れよう。それでもなおそのコンピューターが自分のものだったかもしれないという可能性は明確に述べたという点は注目に値するだろう。
今回のハンター氏の自叙伝ではメディア側の関心の焦点がそのあたりに絞られていたという実態も興味深い。
ちなみのこの本『美しい物事』は結果として多数のメディアでの報道にもかかわらず、一般読者の関心はそれほどに集めず、出版から最初の1週間で全アメリカで1万1千部が売れただけに過ぎなかったという。
トップ写真:ハンター・バイデン氏(左)とバイデン大統領(右)(2016年4月12日) 出典:Teresa Kroeger/Getty Images for World Food Program USA
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