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仏で薬物影響下の殺人、罪に問われず

Japan In-depth / 2021年4月28日 0時36分

しかし、入った部屋で、トーラー(ユダヤ教の聖書における最初の「モーセ五書」)を見かけたそうだ。そこにアリミさんとはちあわせし、トラレオ容疑者は電話で彼女を殴りつけた。





その後、バルコニーに彼女が逃げたが、15分から20分間は暴力が続いた。その間、「アラー・アクバル(アラビア語で神は偉大なり)」「お前は娼婦」「私はサタンを殺した」などと叫んでいたという。そして、トラレオ容疑者は、アリミさんを持ちあげてバルコニーから庭に投げ捨てた。





警察が来たのは午前5時10分。最初はDさん宅の26号室にいった。夫婦喧嘩だと思っていたらしい。その後、アリミさん宅の30号室に行き、トラレオ容疑者を逮捕したのだ。もう少し、警察が早く到着していれば、アリミさんは死なずにすんだかもしれない。





その後、拘留所にて、精神科医により「精神障害を起こしている」と判断され、トラレオ容疑者は精神病院に収容された。









▲写真 フランス大使館近くで判決に抗議するローマのユダヤ人コミュニティ (2021年4月25日 イタリア、ローマ) 出典:Stefano Montesi - Corbis/Corbis via Getty Images





■ 破毀院の判断と今後





そして、4月14日、最終的に破毀院は、犯行は反ユダヤ的動機があるが認知能力が欠如した状態で犯行に及んでおり、現行の法律では、加害者の認知能力が欠如することになった原因を考慮にいれないため、刑事判決を受けることができないと判断を下した。





司法高等会議も、この決定は判事が法を正しく適用していると主張している。





これを受け、法の改正を求めるデモには、パリには2万人以上、その他、ボルドー、マルセイユ、ストラスブールと各地で多くの人が参加した。ニコラ・サルコジ元大統領や、アンヌ・イダルゴパリ市長も参加したのだ。イダルゴ氏は、現在パリ市内の道の一つに、この事件を忘れないためにアリミさんの名前をつけると約束もしている。





現在、エリック・デュポンモレティ法相は、この「法の空白」を埋めるために、5月末までに刑事責任に関する新法案を提出する予定だと発表した。









▲写真 エリックデュポンモレッティ法務相 2020年9月21日 出典:Aurelien Meunier/Getty Images






https://twitter.com/E_DupondM/status/1386277631197388800?s=20




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