シリア沖タンカー攻撃、攻防続く中東
Japan In-depth / 2021年4月28日 11時0分
筆者は今回の攻撃も含め、最近の中東における一連の事件は、バイデン政権の優先順位が中東からインド太平洋に移ることを前提に、中東各国が各自の国益を最大化するため、勝手に動き始めた結果ではないかと考えている。中でも、懸念するのはイランとイスラエルの「代理戦争」が今後エスカレートする可能性だ。詳しくは今週の産経新聞コラムをご一読願いたい。
〇アジア
24日、ジャカルタでASEAN首脳会合が開かれ、「ミャンマーの危機的状況を終わらせる」ことで一致したそうだ。ミャンマー軍総司令官も出席したが、事前の予想通り、市民弾圧停止の求めには明確な返答がなかったそうだ。これではクーデターが既成事実化していく恐れがある。そうならないよう祈るしかない。
インドネシアの潜水艦が沈没し乗組員全員が亡くなったという。同艦は1978年西ドイツ製、81年にインドネシア海軍に編入、1997年から2年間、2010年からも2年間、それぞれ改装工事が施され、2012年に再投入されている。潜水艦乗りは海軍のエリート。現時点で原因は不明だが、悲しい話だ。心からご冥福をお祈りしたい。
〇欧州・ロシア
ロシア大統領が、敵対的な行動を取る「非友好国」リストを作成するよう関係機関に命じたそうだ。報道によれば、同リストには米国が含まれるらしい。リストに載ると在ロシア大使館の活動や職員の数で制限を受けるという。何のことはない、プーチンのロシアは、限りなくソ連に「先祖返り」しているようだ。
〇中東
米大統領が、第1次大戦当時のオスマン帝国で起きたとされる「アルメニア人迫害」を「ジェノサイド」と認定した。当然、トルコは同声明に強く反発している。それにしても、人権重視は良いが、こんなことをしていたら、トルコは益々反発し、米トルコ関係が一層冷却化していくことは間違いなかろう。米国はNATOをどうするつもりなのだろう。
〇南北アメリカ
ニューヨーク市で61歳のアジア系男性が何者かに襲われたそうだ。対アジア系ヘイトクライムが止まらない。一方、アカデミー賞授賞式では、中国出身の女性監督が作品賞と監督賞を受賞した。更に、中国では中国政府に批判的なこの監督の快挙が生中継されなかったそうだ。これらは全て、決して偶然に起きた事ではない。
〇インド亜大陸
インドの感染拡大が止まらない。米印両政府は、新型コロナウイルスのワクチン製造に必要な材料や人工呼吸器など医療器具の供給で合意。英仏も医療器具を提供するという。当然日本も支援したいところだが、まずは国内の問題を解決しないと・・・。
今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:石油タンカー(イメージ) 出典:Dean Conger/Corbis via Getty Images
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