対ウイルス戦に勝つためには
Japan In-depth / 2021年5月2日 11時57分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・3回目の緊急事態宣言の再延長論が出ている。
・実効性ない「緊急事態宣言」を延長しようが、何回やろうが、結果は一緒。
・感染症対策は総力戦。結局、私達は自分の行動を律するしかない。
3回目の緊急事態宣言の再延長論が出ている。感染拡大が止まらないからだが、大元の原因は「人流が減らないこと」につきる。名前だけは一人前だが「緊急事態宣言」では人の移動を制限できないのだから、感染が止まるわけがない。今現在も民族大移動の真っ最中だ。
仮に延長したとしても、解除すれば又同じ事だ。自民党の細田博之元官房長官は去年、この状況を「賽の河原」と表したが、言い得て妙である。その上で細田氏は、人は旅行し、外食をすべきである、とした上で、GoToトラベルキャンペーンについて触れ、PCR検査を受け陰性証明を持った人だけが旅行でき、同様に旅館・ホテル側も、従業員は全員陰性ですと公表すれば、みな安心して旅行できる、との考えを示していた。政府がこの案を検討した形跡はない。
日本はGoToキャンペーンに巨額の財政を投入したが、検査拡充には一貫して消極的だった。検査を増やすこと=感染拡大を止めることではないから、考え方としては分かるが、無症状者が自由に移動する状況を放置すれば感染が拡大するのは自明の理だろう。
政府は、何故移動がいけないのか、何故マスク無しの会食がリスクが高いのか、国民に理解させることが出来ていない。
緊急事態宣言下でも、普通に出社し、国内外を問わず出張している人がいる現状を見ると、今の状況は起こるべくして起きている。
この実効性のない「緊急事態宣言」をいくら延長しようが、何回やろうが、結果は一緒である。一瞬感染者は減るかも知れないが、解除すればすぐに再拡大だ。専門家でなくてもそれぐらい分かる。
▲写真 GW中の東京・渋谷(2021年4月29日) 出典:Yuichi Yamazaki/Getty Images
しわよせはとりわけ飲食業に来ている。この業界には、1年以上仕事がほとんど無いという人もいる。生活保護予備軍は相当な数に上っているはずだ。
前稿でも書いたが、政府の言うことを国民が聞かないのは、不祥事続きの政治家と官僚が信頼されていないせいだが、だからといって私たちも自由に行動していいことにはならない。そんなことをしていたら、天に唾吐くことになりかねない。すなわち、自分たちに災厄がふりかかってくるということだ。
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