結構うまくいった米韓首脳会談
Japan In-depth / 2021年5月25日 15時0分
シンガポールの友人によれば、パレスチナ問題には三つの次元があるそうだ。第一はアラブ対イスラエルの紛争、第二がパレスチナ人内部の分裂、そして第三が地域の地政学的地殻変動である。今回のガザ衝突は、第一のアラブ・イスラエル対立の重要性が低下し、第三の米・イラン対立が最大の懸念材料となったことを象徴する。
今回のガザ衝突との関連で日本の一部で問題視されたのが現職防衛副大臣の「イスラエルにはテロリストから自国を守る権利があります」「私達の心はイスラエルと共にあります」というツイートだった。主権国家に自国を守る権利があることは当然だから、このツイート、欧米、特にユダヤ系など一部コミュニティでは高く評価されていた。
当然と言えば当然なのだが、日本では必ずしもそうではない。同副大臣は当初ツイートの撤回を拒否していたが、その後、自ら投稿を削除したそうだ。理由としては、「投稿をきっかけに皆さんが中東について議論をしてくれたという意味で、今回のツイートは一定の使命を果たした」からだという。分かり難いが、致し方ない説明ではある。
〇アジア
武漢ウイルス研究所の3人の研究員が2019年11月に体調不良を訴えていたらしい。米情報機関報告書の内容が絶妙のタイミングでリークされたようだ。やっぱりね、というのは少し早いが、国際的にも詳細な調査を求める声が高まる可能性はある。だが、これも米中間の情報戦の一環と考えれば、驚くには当たらないだろう。
〇欧州・ロシア
ベラルーシ当局がアテネからリトアニアに向かっていた外国の旅客機をハイジャックした。危険物が仕掛けられた可能性を理由にミンスク空港に緊急着陸させ、乗客だった26歳の反体制派ジャーナリストの身柄を拘束したという。信じ難いスパイ映画のような話だ。事実であれば、ベラルーシもロシアも、同じ穴の狢ということか。
〇中東
中東ではないが、イスラム関連で気になったことがある。新疆ウイグル自治区カシュガルにある中国最大モスクのイマームが「過激思想を広めた」として当局に拘束され、懲役15年の判決を受けたらしい。あれあれ、現職のイマームだけは止めた方が良い。下手をすると殉教者になり、中国への敵意が永遠に続くことになるからだ。
〇南北アメリカ
先週米下院が、1月6日の議会襲撃事件に関する調査委員会を設置する法案を賛成多数で可決したが、上院での審議は未知数らしい。そう言えば、チェイニー元副大統領の娘でもある下院議員がトランプを厳しく批判し、下院共和党指導部幹部を解任されたっけ。まだトランプの影響力はかなり残っているようだ。
インドのコロナ感染はまだ続いている。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
トップ写真:共同記者会見に臨む文在寅韓国大統領とバイデン米大統領(2021年5月21日) 出典:Anna Moneymaker/Getty Images
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