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天安門事件から32年、国内関心薄く

Japan In-depth / 2021年6月8日 16時4分

ところが6月2日夜、組閣期限まで僅か30分と迫る中、強硬右派の「ヤミナ」のベネット党首が寝返り、中道派だけでなく、左派、アラブ系など合わせて8つの政党による連立政権に参加することに合意したのだ。ラピド党首はその旨を大統領に報告、近く議会で新内閣が承認されるという。しかし、この物語は未だ終わらない。





本当に首相が交代するか確信が持てない状況が続いているからだ。皆さんは今年1月6日、トランプ氏勝利を信じて疑わない過激な支持者たちがワシントン連邦議会の議事堂に乱入した事件を覚えているだろうか。今イスラエルの公安当局は、これと似たような事件がエルサレムでも起こる可能性があると警告しているのだ。





米国の主要紙NewYorkTimesとWashingtonPostが揃って報じている。最悪の可能性も完全には否定できないようだ。ユダヤ人が二人いれば三つの政党ができる、という驚くべき諺もある。たった数人の寝返りや裏切りだけでも、多数派工作は崩壊するかもしれない。今は議会承認投票で突発事件が起きないことを祈るしかない。





〇アジア 





6月7、8両日、中国・ASEAN外相会議と中国・メコン川流域国会議を重慶で開催すると中国外交部が発表した。新型コロナ対策や経済回復などを議論し連携強化を図るというのだが・・・。このところ押され気味の中国外交部は、習近平主席の指示通り、あの国を「愛される中国」に脱皮させることができるだろうか。要注目である。





〇欧州・ロシア  





欧州各国が「国家ハイジャック」と非難した5月のベラルーシ反体制派ジャーナリスト拘束事件で進展があった。ベラルーシ国営メディアは同ジャーナリストが「反体制抗議活動を組織したことを告白し、ルカシェンコ大統領を称賛した」と報じたという。同氏の家族は「発言は強制された」と批判しているらしいが、この事件もまだ終わりそうにない。





〇中東  





 エチオピアとエジプトの関係が険悪化しつつある。ナイル川上流のエチオピアが新たにダム100基以上を増設する構想を突如打ち出し、下流のエジプトが猛反発しているからだ。両国は、エチオピアが造ったアフリカ最大級ダムの運営でも喧嘩をしている。確かにナイル川下流が干上がったら、エジプトはエジプトでなくなるだろう。





〇南北アメリカ 





トランプ前大統領がノースカロライナ州共和党大会で演説し、新型コロナの武漢研究所流出説につき「中国共産党に対し米国と世界が賠償を求める時が来た」と述べたそうだ。昨年も武漢研究所説は燻っていたが、トランプ氏が言ったので、「どうせ嘘だろう」と多くの人が思ったはず。やはり大統領はオオカミ少年になってはいけない。





〇インド亜大陸 





感染が猛威を振るったインドで今週から主要都市の経済活動が再開したという。報道によれば、「ムンバイではバス待ちに列ができ、ニューデリーでも交通量が増えている」そうだ。過去24時間の新規感染者数は10万ちょっと、二週間前には40万人を超えていた。これを「大成果」と呼ぶかどうかは別として。





今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。





トップ写真:天安門事件 出典:Archive Photos/Getty Images




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