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インドネシア後継戦闘機に米F16浮上

Japan In-depth / 2021年6月9日 19時0分

さらにプラボウォ・スビアント国防相はオーストリアのクラウディア・タンナー国防相に書簡を送って同国が保有するユーロファイター・タイフーン戦闘機15機の購入を打診したものの、そのプラボウォ国防相は次期大統領選の最有力候補と目されていることもあり、ジョコ・ウィドド大統領に強く出られないことも後継戦闘機選定が一向に現実化しない理由の一つともいわれている。(参考:2020年7月30日掲載『インドネシア戦闘機購入で混乱』)





■ 米からの積極的売り込み





インドネシアのメディアのなかにはこうした後継闘機の候補が各国にわたり多彩なことを受けてインドネシアの国是である「多様性の中の統一」にちなんで「これこそインドネシアの多様性の表れだ」と歓迎する向きもある。





しかし、戦闘機の実効ある運用には「多様性」はむしろ「障害」であることを国民は理解していないのが現実である。





こうしたインドネシア側の実状を受けて、米ロッキード・マーティン社がインドネシアに対して最新鋭の装備を備えたF16ブロック72を次期戦闘機の候補として検討してほしい、この計画には米政府の承認も得ている、と伝えたと地元紙ジャカルタ・グローブが5月29日に報じた。





これまでにインドネシア側の公式反応はないものの、高度のデータリンクで多数のターゲットを認識可能な最新鋭のレーダー「AESA」を搭載するなどバージョンアップされたF16ブロック72の打診はインドネシア空軍にとっては好条件を備えているといえる。





ロッキード・マーティン社も力説しているように「F16を保有し運用しているインドネシア空軍にとって他国の戦闘機を導入してパイロットや整備員を一から訓練するより、より経費節減になるのは間違いない」ことが大きな利点となるとみられているからだ。





韓国が自国で進めているKFXの開発計画にインドネシアは2017年から参加して開発予算を分担してきた。しかし現在はその分担金支払いが滞っている。韓国側ではインドネシアが韓国以外からの次期戦闘機の導入計画があることから「KFX計画から撤退するのではないか」と疑心暗鬼になっているという。









▲写真 韓国とインドネシアが共同開発中のKF-Xの模型(Seoul ADEX 2017) 出典:Alvis Cyrille Jiyong Jang (Alvis Jean) / Wikimedia Commons





公式にはインドネシアは「資金難が理由である」と説明しているが、軍事専門家の声を掲載した韓国の世界日報などによると、KFXはステルス性能や兵器搭載能力などがインドネシアの要求水準に達しそうにないことが背景にあるのではないか、と、KFX開発計画に厳しい指摘もでている。





インドネシア空軍はロシア製スホイ27、スホイ30を現在10機保有しているが、ロシアの戦闘機を後継機種として選択肢に加えることは現状ではインドネシア側にはないとみられている。





こうした経緯から、現段階ではインドネシアは各国の戦闘機を導入候補として検討を進めている、とは言うものの、米政府のお墨付きを得ているとするロッキード・マーティン社の最新鋭バージョンのF16ブロック72が今後最有力候補に躍り出る可能性は極めて高いといえるだろう。





トップ写真:F-16ブロック72 出典:ロッキードマーチン社ホームページ

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