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比マニラで中国人による誘拐が頻発

Japan In-depth / 2021年6月25日 18時0分

▲写真 ドゥテルテ大統領と中国の習近平国家主席(2017年5月17日 北京) 出典:Roman Pilpey-Pool/Getty Images





ドゥテルテ大統領は南シナ海での領有権問題で対立する中国に対して、口では対決も辞さない強硬姿勢を度々示しながらも、実質的には中国からの巨額の経済支援、インフラ支援などは国内経済に不可欠として親中姿勢を示している。





ドゥテルテ大統領は中国からの投資を歓迎し、旅行者や労働者の流入を歓迎する立場を貫いてきた。このため旅行者としてフィリピンに入国して、滞在期限が切れても資格外活動である労働をして長期滞在する中国人が急増しているのだ。





■ 15万人がカジノ業に従事





フィリピン当局によると、現在約15万人の中国人がオフショア・カジノで従業員として働いているという。中国人が経営・運営するオフショア・カジノは主に中国本土に滞在している中国人を顧客にしている「オンライン・カジノ」が中心となっている。





中国本土では許可されないカジノがフィリピンで運営されているため、中国当局も手が出せない状況といわれ、このところのコロナ感染拡大による自宅待機やリモート・ワークなどでインターネット経由の「オフショア・カジノ」は大繁盛している、といわれている。





カジノでの借金・負債問題に加えて、売春やマネーロンダリング、そして負債者、従業員同士の誘拐など「オフショア・カジノ」はあらゆる犯罪の温床として警戒されている。





しかし中国人経営者らは「オフショア・カジノ」のライセンスを合法的に入手している現状から、具体的な犯罪行為が露見しない限り警察による摘発は事実上難しく、逆にそれが不法滞在の中国人によるあらゆる犯罪を誘発しているという側面があるという。





コロナ禍で以前ほど中国人の来訪は多くないといわれているが、犯罪に関与した中国人をフィリピン警察当局が摘発、入管当局が中国へ強制送還しても、中国からは相変わらずの入国者続きで、「イタチごっこ」の悪循環が続いているのが実状という。





■ 次期大統領選の焦点にも





国民や野党からはドゥテルテ大統領の中国への「弱気外交」「柔軟姿勢」への反発が根強くあるものの、中国の習近平国家主席が推し進める「一帯一路」構想の経済支援やコロナ・ワクチン外交に対してドゥテルテ大統領は国民に対して「面従腹背」を貫こうとしているようにみえる。









▲写真 サラ・ドゥテルテ・ダバオ市長(左) 出典:外務省ホームページ





2022年5月に迫る次期大統領選に再選規定でドゥテルテ大統領は大統領候補として出馬はできない。しかし、副大統領候補としての出馬は可能であり、次期大統領の有力候補がドゥテルテ大統領の娘、ミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長であることなどから、「親子で正副大統領」の可能性も取りざたされている。





国民が親中姿勢を貫くドゥテルテ大統領をどう評価するかが次期大統領選の大きな焦点の一つになりそうだ。





トップ写真:マニラ市内を巡回するパトロールカー(イメージ) 出典:Ezra Acayan/Getty Images




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