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中国国有企業、相次ぐデフォルトと倒産

Japan In-depth / 2021年7月17日 12時4分

紫光集団の倒産は、これら傘下企業にあまり影響しないとも言われているが、今後の展開次第では、この2企業にもダメージがあるかもしれない。





一方、昨年2月、IT企業の北大方正集団が破産した。同集団は、北京大学が100%出資し、その研究成果を産業化するため1986年に設立された国有企業だった。





北京銀行としては北大方正集団が満期になった債務をデフォルトしたため、「明白に同社には返済能力がない」と判断し、裁判所(北京市第一中級人民法院)に同社の再建手続きを申し立てた。





同集団の傘下には、(1)英特克信息技術(武漢)有限公司(インテック武漢)、(2)方正株式(武漢)科技開発公司(2018年1月、同集団がオフショア開発を円滑に推進するため武漢市に子会社として同社を設立)、(3)24ABC株式会社(2018年6月、同集団が、越境ECプラットフォーム24ABCを展開することを目的として設立)、(4)方正国際軟件(江蘇)有限公司(江蘇省江陰市、2008年に設立か)等が存在する。





実は、同年11月、BMWとの合弁企業、中国華晨汽車(遼寧省瀋陽市の国有企業)も破産した。『SankeiBiz』(2020年11月20日付)によれば、「新型コロナウイルスの影響で自主ブランド車の販売が低迷。ドイツ大手BMWとの合弁事業は順調だが、全体の経営悪化をカバーできなかった。中国の破産法に基づき、事業を継続しながら負債を整理し、経営再建を目指す」という。





確かに、「新型コロナ」が同社の経営悪化に拍車をかけた事は間違いないが、原因は他にもあるのではないか(例えば、「親方五星紅旗」など)。





同月、国有資源会社の永城煤電控股集団(河南省)がデフォルトを起こした。この集団も先行きが不透明である。









▲写真 中国・武漢(2015年5月7日) 出典:Photo by Jie Zhao/Corbis via Getty Images





ところで、以前、中国では、デフォルト寸前の企業に、どこからとなく「ホワイトナイト」(友好的な買収者<白馬の騎士>)のような人間が現れて、破産寸前の企業を救っていた。





けれども、「国有企業改革」を掲げる習近平政権は、ゾンビ化した国有企業を救う事ができなくなったのか。あるいは、同政権はゾンビ企業をこのまま残せば、更に財政赤字が逼迫すると考えて、助けようとしないのだろうか。





しかし、一般に、国有企業は労働者が多いので、いったん、倒産すると大量の失業者が生まれる。





江沢民時代、朱鎔基首相が「国有企業改革」を推進した。当時は、国有企業が倒産しても、失業者は、まだ別の業界で活躍することができた。だが、現在、産業が高度化したせいか、失業者が簡単に別の分野で働けなくなった。これでは、ますます社会不安が増大するだろう。





習近平政権肝煎りの国有企業が相次いでデフォルトを起こして倒産している。何たる皮肉だろうか。





トップ写真:2021年6月17日 中国・上海にて 出典:Photo by Andrea Verdelli/Getty Images




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