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「子どもの立場で親権制度議論を」嘉田由紀子参議院議員

Japan In-depth / 2021年8月4日 19時0分

「(共同養育支援議員連盟の)柴山(昌彦)幹事長と牧原(秀樹)事務局長がフィショ氏のところに慰問に行ってくれていました。これは大変心強い行動です。できるだけ早い段階でフランス政府との約束が守れるよう菅(義偉)総理大臣と上川(陽子)法務大臣に要望を出す必要があるだろうと、これはお二人にもお伝えしています」





「日本政府にも、何が国民を守るための法律なのか、民法改正に向けて本気で努力してほしい」





■ 「子どもの連れ去り」は刑法違反





嘉田氏は、今年4月13日の参議院法務委員会で「子どもの連れ去り」について質問し、上川陽子法務大臣と川原隆司法務省刑事局長から回答を得た。





実子連れ去りは、「未成年者の自由と安全」「監護側の監護権」を保護法益とする刑法224条の「未成年者略取・誘拐罪」に問えるということが明らかになった。(動画:参議院法務委員会2021年4月13日。3:53:10ころから)





離婚成立してない場合は婚姻中であるから、「子ども連れ去り」は、この刑法224条の未成年者略取・誘拐にあたることを政府が公式に認めたことになる。





「子どもの連れ去り」には、司法の内部に要因があるとも指摘される。そのひとつは、裁判所が親権者を定める判断基準、「継続性の原則」だ。「継続性の原則」とは、現在の子どもの監護環境に問題がなければそれを維持するべきとする考え方だ。親権を確保するため、弁護士が「子どもの連れ去り」を勧めることもあるとされる。また、「連れ去り」を正当化するため、虚偽にDV被害を主張するケースもあるという。





嘉田氏は、「DV防止法が甘い。言った者勝ちになっています。DV 防止法も警察がきちんと入るべきでしょう」と主張する。





「もちろん虐待や DV(が実際にある可能性) がある場合は、共同親権を義務化しても親権を外したらいい。今の民法だって親権停止・喪失の条文はあります 」





■ 単独親権という構造的問題





「議論を加速させるためには、単独親権の一番の被害者である離婚後、経済的貧困に放置され片親疎外にあっていて自己肯定感などを失ってしまっている子どもの立場からの議論が最も必要です。そこを私自身、法務委員会、議連の場、そして特にマスコミの皆さんに訴えたい」





嘉田氏は、フィショ氏の抗議行動を取り上げることに関して、日本のマスコミが及び腰であることに疑問を呈した。





「(親権制度について)マスコミも触れたくない。官僚も触りたくない。法務省も触りたくない。法律を変えて自分たちには得はないからという逃げでしょう。本当にこの国の未来が心配です。誰が子どものことを考えるんですか」





「日本の警察や司法は家族問題には介入しない。法務省はずっと家族の個別事案には入り込まないと言って逃げています。でも(民法は)離婚後片親親権(単独親権)と決めている。すでに家族のあり方を司法が構造的に決めている 。明らかに構造的に介入しています。この構造を変えることが子どもの幸せ確保の第一歩です。これが私の一番の言いたいことです」





(了)





トップ写真:©︎Japan In-depth編集部




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