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中国核ミサイル原潜の脅威

Japan In-depth / 2021年8月14日 23時0分

・中国軍は094型に次ぐ096型潜水艦をいま開発中で、数年後に完成すれば、核ミサイルの射程は1万キロを越え、アメリカ本土を直撃できる。





 ・ただし現在の094型はアメリカの原潜にくらべれば、潜水での航行時のエンジン音などがずっと大きく、容易に探知されるという弱点がある。





CSISの以上のような中国の核ミサイル発射潜水艦の登場への警告はアメリカ側官民に広がる中国の核戦力増強への懸念をも体現していた。





バイデン政権の国務省報道官は7月の定例記者会見で「アメリカ政府は中国の急速な核戦力の増強に懸念を抱いており、中国政府が不安定な軍拡競争のリスクを減らすために実利的な交渉にのぞむことを期待する」と語ったばかりだった。





またアメリカの民間では前述のCSISが6月に「2001年の中国の戦略と軍事部隊」という研究報告書を発表して、中国軍の核戦力全般に及ぶ増強への警告を出していた。









▲写真 第二次世界大戦終了70周年を記念する軍事パレード(2015年9月3日 中国北京) 出典:Photo by Sasha Mordovets/Getty Images





そのうえに7月中旬には中国の軍事評論集団が日本への核攻撃を描く動画を公表し、アメリカの専門家筋でも話題を集め、非難をも浴びた。この約6分の動画は明らかに中国政府の黙認を得て作成、公表された。その内容は日本がもし中国軍の台湾武力攻撃による台湾有事が起きて、参戦した場合には中国側は即時に日本の核攻撃を加えるという趣旨だった。





この動画はアメリカ側での反応が広がり始めると中国当局が一般向けのサイトからは削除したが、戦略核ミサイル部隊が駐屯する陝西省の共産党委員会のサイトにはそのまま掲載された。中国政府の日本への核攻撃の恫喝といえる動きだった。    





この動きに対して、アメリカ側では中国当局が長年、掲げてきた「核先制不使用」政策(核兵器は戦争でも相手が使った場合にしか使用せず、非核国にも使用しないという政策)への不信感が表明されるようにもなった。





そんな状況での中国の潜水艦による核ミサイル発射能力を誇示するような動きにアメリカ側の警鐘が改めて鳴らされたことには、それなりの理由があった、ともいえよう。





日本では8月上旬には広島、長崎への原爆被害を記念する式典が催され、核兵器自体への反対が繰り返し表明された。この世界からすべての核兵器をなくせ、という声があがる。こうした反核の声はまず日本への敵意を示す中国や北朝鮮の核兵器に対してこそ向けられるべきである。





**この記事は日本戦略研究フォーラムの古森義久氏の連載コラム「内外抗論」からの転載です。 





トップ写真:中露合同軍事演習第3フェーズ中、ミサイルを発射する中国潜水艦(中国青島、2005年8月23日) 出典:Photo by China Photos/Getty Images




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