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新型コロナに関する中国フェイクニュース

Japan In-depth / 2021年8月22日 11時0分

一方、アメリカ側の調査では武漢市の中枢にある国立武漢ウイルス研究所では年来、コロナウイルスの感染力を強める実験や作業が実施されてきたことが中国側の公式記録でも確認されたとしている。





中国側はこのアメリカ側の主張に対して一貫して否定の態度を貫き、その主張はむしろ中国を貶めるための陰謀だなどという反論を展開してきた。





だから中国側としてはこのスイスの著名だとされる生物学者の見解は力強い応援となるわけだ。





ところがである。





スイス政府がそんな名前のスイス人学者は実在しない、と言明したのだった。





ワシントン・ポストの北京発の報道によると、北京のスイス大使館は8月10日、公式の声明を発表し、「中国のメディアが広範に報じたウィルソン・エドワーズというスイス人学者は存在しない。スイス側の住民登録にも記載はない」と述べたのだった。





そのうえで在中国スイス大使館は「そんな人物がもし実在するのならば、ぜひ会ってみたい」とまで述べて、「この情報はフェイクニュースとしか思えないから、それを報じた中国側のメディアに対しては記事の削除を求めたい」と言明していた。





すると、中国側のメディアはすぐにこの記事や報道を削除したのだという。





中国の官営メディアはこれほどのフェイクニュースを堂々と流すという実態の例証だった。だから日ごろ山のように情報を発信する中国メディア全体が真のメディアとしてはどれほどの信憑性があるのか、今回の出来事は貴重な指針になるといえるだろう。





トップ写真:武漢ウイルス研究所での研究の様子(2020年2月4日 武漢) 出典:Photo by TPG/Getty Images




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