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日常戻るニューヨークに課題も

Japan In-depth / 2021年8月23日 16時49分

だが、イベントへの参加には厳しい条件が付けられている。





入場には少なくとも1回の予防接種を受けた証明の提示が必要で(NYではスマホアプリでデジタル公式証明が可能)、接種が実施されていない12才以下の子供に関しても、72時間以内の陰性証明が必要とされた。





これにはニューヨーク・デブラシオ市長の強い意向がある。





バイデン大統領が掲げた「7月4日までに国内の人々の70%にワクチン接種を」という目標を、急激な接種率の伸びで達成するかに見えたニューヨーク市だが、現時点で、少なくとも1回の接種を終えた市民は65%、必要な回数の接種を完了した、という市民はいまだに57%に留まっている。





頭打ちの接種率に業を煮やした市長は「復興週間」2日目に「今後はレストラン、映画館、コンサート会場、美術館への入場は接種証明の提示を義務とする」との条例を施行した。条例には9月上旬までの周知期間が設けられているがそれ以降は違反には罰金が伴う。初回1000ドル。2回目以降は数千ドルという重罰だ。





これに対して、レストラン業界を中心に猛反発が起きた。





同じ屋内であっても、対象とされない業種もあることから、レストラン業界を恣意的に狙い撃ちしたもの、としてデブラシオ市長を訴えたのだ。





実際のところ、先週、私が仕事上の必要で私のクライアントと撮影現場近くのレストランに立ち寄ろうとしたところ、そのクライアントは条例の発布を意識おらず「しまった!接種証明を持っていない!」とレストランの入口に呆然と立ち尽くした。しかし、レストランの側は「いいですよ良いですよ、どうぞお入りください」と招き入れてくれたのであった。





私には昨年の記憶があった。

1年前、COVID-19下で営業時間や入店人数制限など、レストランの営業規制があった時、いわゆる「自粛警察」のような人々か、生き残りを賭けた同業者によるものかは定かではないが、こういう行為が当局に通報された挙げ句、営業許可取り消し、というような事例の報道があった。





違反かどうかは状況によって証明できないケースも考えられ、生存復活をかけて、青息吐息で真面目にやっていたレストランが「チクリ」によって数千ドルの罰金を課されてしまう可能性は、否定できず、業界としては看過できないのだろう。





接種義務化の動きは、多くの反発も招いている。





1年半も中断を余儀なくされたブロードウェイ演劇界も、多くの劇場はスタッフ、出演者の接種義務化の方針を打ち出している。これに対して、主演級の俳優が「接種は強制でなく、自分自身、個人が決断するもの」として降板するなど物議を醸している。





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