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アフガンのタリバン政権と中国

Japan In-depth / 2021年8月25日 23時0分

「タリバンは訳が分からない狂信的集団のように言われますが、我々がアフガン国内に入ってみると全然違う。恐怖政治も言論統制もしていない。田舎を基盤とする政権で、いろいろな布告も今まであった慣習を明文化したという感じ。少なくとも農民・貧民層にはほとんど違和感はないようです」。





ところで、中国はタリバンに対して如何なるアプローチを取っているのか。





アフガンが大混乱に陥る直前の7月28日、王毅・中国外相は、天津市でタリバンの幹部と会談し、アフガニスタン和平などについて意見交換を行った。中国外務省の発表によると、同外相はタリバンについて「アフガンの和平、和解、復興プロセスで、重要な役割を発揮することが見込まれる」と述べたという。









▲画像 アフガニスタン国家安全保障担当補佐官モヒブ・ハムダラー氏(左) 中国外相・王毅氏(右)(2019年1月10日) 出典:Photo by Andy Wong-Pool/Getty Images





また、今月8月19日、王毅外相は、ラーブ英外相とアフガニスタン情勢について電話会談した際、国際社会はタリバン政権に対し「圧力よりも支援を」と強調している。





翌20日、タリバンの報道官は、CCTVの取材を受け、中国について「偉大な隣国だ」とした上で、「同国はアフガニスタンの平和と和解のため建設的な役割を果たしてきた」と評価した。





中国共産党としては、タリバン政権と友好な関係を構築したいのではないか。周知の如く、新疆ウイグル自治区では、ウイグル人収容所があり、タリバンはイスラム教スンニ派である。場合によっては、タリバンが中国国内の一部のスンニ派ウイグル人と手を結び、テロによって習近平政権を脅かさないとも限らない。





また、アフガンには大量の資源(主に銅とリチウムで、一説には3兆米ドルにのぼるという)が眠る。中国共産党は、何とかアフガンの資源を手中に収めたいだろう。同時に、中東(例えば、トルクメニスタン等)と中国を結ぶアフガンの石油・天然ガスパイプライン敷設も重要課題である。北京は、是非とも、そのパイプラインを稼働させたいのではないだろうか。





更に、習近平政権としては「一帯一路」構想を実現する上で、アフガンの安定は不可欠である。もし、アフガン情勢が混迷化すると、同構想は頓挫するかもしれない。





一方、タリバン政権としても、今後、米国やEU等からの支援を得づらいので、中国との友好関係を深めたいのではないか。特に、アフガンではケシの栽培が行われている。世界のアヘンの9割はアフガン産と言われるが、そのアヘンを主に中国が買い取っているという。





ただし、よく知られているように、部族国家のアフガンでは、歴史的に、大国の英国、(旧)ソ連、米国が泥沼に嵌まっている。ひょっとすると、中国も同じ轍を踏む可能性がないとは言い切れまい。





トップ画像:バイデン大統領(右)・ガニ大統領(中央) ホワイトハウスにて(2021年6月25日) 出典:Photo by Pete Marovich-Pool/Getty Images




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