米H-1Bビザ発給緩和化の動き
Japan In-depth / 2021年9月13日 12時30分
しかし、バイデン政権になると、USCISは同選考法の変更実施を12月末まで延期した。トランプ政権の移民規制に反対した、ワシントンDCに本拠を置く非営利団体である「米国移民協議会」は3月、H-1Bビザ制度が米国の雇用、賃金、経済に与える影響に関する「FACT SHEET」を発表。その分析結果を基に「この制度は米国の雇用における(需給)ギャップを埋め、全体の雇用機会を増大させている」と分析した。バイデン政権は、トランプ政権下の厳格化を実施せず、選考方法は抽選方式のままだ。
2回目の抽選の当選者は11月3日までにH-1B就労ビザ申請を提出する必要がある。インド紙報道によると、3月の1回目の抽選には約30万3000人が登録した。だが、その中から2022会計年度のH-1Bビザ枠を満たすのは難しい、とUSCISは判断したようだ。
H-1Bビザ取得に関心高いIT技術者の多いのはインド。USCISのH-1Bビザ取得での2度目の抽選実施は、インドのIT技術者に朗報と言えそうだが、H-1Bビザを取り巻く情勢は必ずしも楽観的とは言えそうにない。不安定要因は多い。インド、米国での新型コロナウイルスのパンデミック(大感染)は収まってはいない。アジア人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)は増えている。かって「希望の地」であったシリコンバレーでは、不動産などの価格は高騰し、生活はし辛くなっている。来年には中間選挙もある。
そうしたことを反映してか、トランプ政権が登場したころから、カナダが外国人IT高度人材の誘致に熱心になっている。これは明るい面だ。オンタリオ州のトロントから西へ約120キロメートルの、数学・コンピューターサイエンスで有名なウォータールー大学が立地するウォータールーにかけてはベンチャー企業が多く、西のバンクーバーでもスタートアップ企業のエコシステムが形成されている。ケベック州のモントリオールは、トロントと並び、AI(人口知能)研究が盛んだ。カナダ政府は、米国のH-1Bビザ保有者を経済移民として受け入れ始めている。米国の大手IT企業もカナダ拠点の強化に動いている。
トップ画像)米国移民局の優秀市民賞を授与するバイデン大統領
出典)Photo by Chip Somodevilla/Getty Images
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