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中国「台湾侵攻」の可能性は低い

Japan In-depth / 2021年10月31日 23時0分

さて、10月13日、プーチン大統領はモスクワで開かれたロシア主催の国際会議「ロシアのエネルギー週間」に出席した。その際、司会者との質疑応答の中で、台湾問題に触れている。





《プーチン氏は「私も出席した最近の国際会合で、習氏は『いかなる問題解決にも武力は行使しない』と話していた。中国の国家哲学は武力行使と結びついていない」と指摘》(『SankeiBiz』(サンケイビズ)「『中国は台湾に武力行使せず』プーチン氏が見通し示す」<今年10月14日付>)したという。





大統領の発言の中で、後半部分がきわめて重要ではないか。そもそも、中国の“国家哲学”とは何か。それは中国の代表的古典『孫子』を指すことは間違いない。つまり、大統領は『孫子』を読めば、中国の“国家哲学”と中国共産党幹部(人民解放軍幹部を含む)の行動様式がある程度わかる、と喝破したのだった。





『孫子』の「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」は日本人によく知られたフレーズである。ところが、これはあくまでも孫子の “セカンドベスト”にすぎない。孫子の唱える“ベスト”は「戦わずして勝つ」である。





そのため、様々な手法を採る。敵への脅迫をはじめとして、(a)偽情報を流す、(b)スパイを送り込む、(c)賄賂を送る、(d)ハニートラップを仕掛ける等、あらゆる手段を採る。





武力を用いずに敵に勝利する事こそが、孫子の唱えた最高の戦法である。当然、共産党幹部らはこの「孫子の兵法」を熟知している。したがって、北京は、普段からこの戦法にしたがって、行動していると言っても過言ではない。





一方、10月21日、「バイデン大統領」は、メリーランド州ボルティモアで開かれたCNNテレビ主催の対話集会に参加した。司会者から「米国は台湾を守るつもりか」との質問に「バイデン大統領」は、「その通りだ。われわれにはそうする責任がある」と語っている(その後、ホワイトハウス当局者は対話集会の終了後、発言の真意を説明する対応<いわゆる“火消し”>に追われたという)。





では、「バイデン大統領」が言及した米国の台湾に対する“責任”とは一体、何か。





われわれが以前から主張しているように、米国は1979年に成立した「台湾関係法」という“国内法”で「台湾人の生命、財産、基本的人権を守る」と謳っている。





この法律は、米台両国間の条約や協定ではない。あくまでも米国の“国内法”である。それでいて、米国が一方的に台湾防衛を公言している。すなわち、台湾は米国にとって準州(グアムやサイパン<北マリアナ諸島自治連邦区>等)に相当すると考えられよう。





したがって、巷間よく言われる「米国は台湾防衛に関して、“曖昧戦略”を採っている」という議論には疑問が残る。





中台間で偶発事故が起きる、あるいは、中国共産党トップが「合理的判断」ができなくなる場合を除き、中国の「台湾侵攻」の可能性は著しく低いのではないだろうか。





トップ写真:中国建国記念日に抗議し、中国の習近平国家主席の逆さまの肖像画に塗料をスプレーする台北市民。(2021年10月1日 台湾・台北にて)出典:Photo by Lam Yik Fei/Getty Images




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