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中国「不動産税」試験的導入の影響

Japan In-depth / 2021年11月7日 11時0分

しかし、社会主義体制の中では、共産党幹部が各部門で認可権等の実権を掌握している。普通の人ならば高額の賄賂を使わなければならない所を、党幹部子弟らにそれらは必要ない。党幹部同士、お互い助け合うので、子供や孫たちは楽にビジネスを進められる。





本来、中国共産党は、もっと早期(例えば、1980年代、遅くても1990年代)に「相続税」や「財産税」などを導入すべきだったのではないか。ところが、共産党は「相続税」や「財産税」に関して、まったく手をつけなかった。そのため、貧富の差がどんどん拡大した。現在、党幹部子弟やその一族は、巨万の富を築いている。









▲写真 第13回全国人民代表大会第4回会期(2021年3月11日) 出典:Photo by TPG/Getty Images





今、習近平政権は新興のIT関連企業トップや芸能人らへの「共同富裕」への参画を強要している。だが、それよりも「相続税」や「財産税」の導入など、別の政策で「共同富裕」を目指した方が良いのではないだろうか。





昨年5月、李克強首相が中国には毎月1000元(約1万7000円)で暮らす人達が約6億人もいると公表した。だが、一方、習近平主席とその一族は、100兆円の資産を持つと言われている。以上のように、中国では「相続税」や「財産税」がないため、格差が開いた。





周知の如く、ジニ係数は社会的貧富の差を表す数字(数値は0〜1の間)である。0は限りなく平等で、1は1人がすべての富を独占している状態をいう。一般に、社会騒乱多発の警戒ラインは、0.4だと言われる。





2018年の数字では、北欧・東欧はジニ係数が0.2台で、平等な社会を形成している。また、ドイツは0.29、日本は0.33で、割りと平等な社会を実現していると言えよう。米国は、0.39と、若干、格差のある社会だと言えるかもしれない。





他方、中国はどうか。2011年、西南財形大学は「中国家庭金融調査」を実施し、中国のジニ係数は0.61だと公表した。0.61という数字は4.9%未満が全国の50%の所得を得ていることを意味する。





また、東呉証券(蘇州市)チーフエコノミスト、任沢平によると、中国は、2015年に0.711、2019年にはいったん0.697に下がるが、新型コロナ下、2020年には0.704へと再上昇したという。ちなみに、中国人の上位1%が中国総資産を持つ割合は、昨年には30.6%まで上昇した。今の中国では、いつでも反乱や革命が起きても不思議ではないだろう。





既述の中国恒大の例でわかる通り、習近平政権はデジタルシステムで民衆監視し、公安や武装警察を使って暴動を阻止している。結局、中国共産党は、自らの政権を維持する事をだけを考え、人民の利益や福祉は二の次となっているのではないか。これでは「共同富裕」実現は“掛け声倒れ”になる恐れがあるだろう。





▲写真 中国湖北省武漢の恒大集団長青社区(2021年9月24日) 出典:Photo by Getty Images/特派員




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