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中国、習長期政権で適切な政策変更に暗雲

Japan In-depth / 2021年11月10日 7時0分

それにしても便利な時代になったものだ。出張費も、会場費もかからず、手軽にこの種の会合が開催できるのだから。今後はこの種のウェビナーで取り上げるトピック、出席者、タイミング、そして何よりも内容のレベルの高さが求められる。今後も精進していきたいが、取り上げるべきトピックがあれば、ご要望をお寄せ頂きたい。





昨日夜、「次期外相就任が内定したと報じられている」林芳正議員をゲストに招いたプライムニュースがあった。各関係者や派閥の内政上の思惑などが様々報じられているが、日本の外交という観点から見れば、良かったのではないかと思っている。林氏に限らず、最近の外務大臣は一昔前とは異なり、隔世の感がある。









▲写真 林芳正議員(2008年8月1日) 出典:​​Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images





1980年代、外務省の駆け出し事務官だった頃、宮澤喜一元首相を除けば、首相や外務大臣で英語を喋る人は少なかった。今でも忘れられないのは当時の森山眞弓外務政務次官だった。確か彼女は労働省の元局長だったはずなのに、外務省内で外交団を前に英語で素晴らしいスピーチをされて、舌を巻いたことを覚えている。





しかし、当然といえば当然、彼女は津田塾専門学校外国語学科(現、津田塾大学)に入学後、極東国際軍事裁判で翻訳のアルバイトをしていたのだから。その森山さんが先日亡くなった。心からご冥福をお祈りしたい。昔話はこのくらいにして本題に戻ろう。最近の外相は国際情勢に詳しく、英語にも堪能な人が増えてきた。有難いことだ。





〇アジア





サリバン米大統領補佐官がCNNで、台湾への圧力を強める中国につき、「一方的な現状変更に反対する。安全と安定を揺るがす中国の活動に懸念を抱いている」と述べたそうだ。要するに、「曖昧戦略」には触れなかったが、「戦略的曖昧さ」を維持しつつ、「戦術的明確さ」を前面に出そうとしている、のだろう。要注目である。





〇欧州・ロシア





英国で地球温暖化問題を議論するCOP26が開かれたが、中国は不参加。当然だろう、中国から見れば「温暖化」問題とは中国を狙い撃ちする西側の「陰謀」でしかないからだ。残念ながら、中国が動かない「温暖化議論」では「会議は踊る」だけ。日本も強かに国益を最大化すべく立ち回る必要がある。





 〇中東





イラクで恐れていた暗殺未遂事件が起きた。7日、イラクのカディミ首相の自宅が爆発物を積んだ無人機で攻撃されたのだ。ドローン攻撃といえば一昔前は米軍の専売特許だったが、今や中露イランなどの国家だけでなく、恐らくは武装ミリシアでも十分使える兵器になったということ。恐ろしいことである。





〇南北アメリカ





ヴァージニア州知事特別選挙で共和党候補が圧勝した。バイデン政権にとっては大打撃と報じられているが、この現象こそ筆者が過去数年恐れていたことだ。それは「トランプより賢い」隠れトランプ候補の登場である。民主党が内紛を止めなければ、この傾向は必ず拡大し、将来は「トランプの方がマシだった」ということにもなりかねない。





〇インド亜大陸





特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。





トップ写真:街中にたてられた習近平国家主席の看板(2021年10月14日、中国・酒泉) 出典:Photo by Kevin Frayer/Getty Images




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