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緊張高まるベラルーシ・ポーランド国境

Japan In-depth / 2021年11月25日 7時0分

こうした中で、EUは11月15日開いた外相理事会で、ベラルーシに対する制裁措置の拡大を決定した。中東などからの移民送り込みに関与している個人や航空会社などの組織を資産凍結やEUへの渡航禁止といった制裁の対象に指定できるようにした。EUは現在、反体制派抑圧などをめぐってルカシェンコ大統領を含む政権幹部166人と15組織に制裁を科している。









▲写真 共同記者会見に臨むルカシェンコ・ベラルーシ大統領とプーチン露大統領(2021年9月9日) 出典:Photo by Mikhail Svetlov/Getty Images





さらにEUはルカシェンコ政権による渡航あっせんに応じないように中東をはじめとする移民らの出身国に働きかけを始めた。





ベラルーシとポーランドの国境地帯では、中東などから空路でベラルーシに渡った移民らがEU側への越境を阻まれ、厳しい寒さの中で立往生を強いられている。





移民は2000人から4000人に上るとされ、多くはイラクやシリアの出身。中東以外ではアフガニスタン出身者も含まれるという。





ポーランド国防省によると11月8日には、国境フェンスのべラルーシ側に集結した移民の中には鉄条網を大型の鋏で切断し、越境を試みた者もおり、ポーランドの治安部隊に押し返された。11月16日にも移民にょる同様の動きがあり、ポーランド軍が移民に対して放水を行って押し返した映像が欧州各国のテレビで放映された。ポーランドはベラルーシ国境に沿って180キロの壁を3億5000万ユーロをかけて建設し、移民の越境を阻止する構えだ。





■ 移民収容センター





越境を拒まれた移民が森林の中でテントを張り、酷寒の中で震えながらたき火に当たっている映像が盛んに流され、人道問題だとの批判も上がった。





こうした中でベラルーシ政府は国境地帯での緊張を和らげ、自国のイメージ向上を図るためにブルズギ(Bruzgi)国境地帯の外れの巨大な倉庫を利用した「一時収容センター」を設置。まず1100人の移民が入ったとニューヨーク・タイムズは伝えた。同センターでの滞在者数は11月19日までに2000人を超えたとされる。11月18日までには移民が張った国境地帯のテント群は撤去され、巨大なごみ置き場に変身したという。ただ、EU移住の見込みが薄れ、焦燥感や怒りを表す移民も多いという。ルカシェンコ政権は移民たちの怒りを鎮めるのに苦労しそうだ。





EUはベラルーシ/ポーランド国境の状況を人権尊重というEUの理念に基づいて対処する必要がある。そのうえで対ベラルーシ問題でポーランドと連帯する姿勢を示すと同時にポーランドがEU法よりポーランド憲法を優先している「法の支配」の問題で同国に厳正に対処しなければならない。





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