中国六中全会・歴史決議の意義に疑問
Japan In-depth / 2021年11月30日 15時37分
本当にそうなのか。恐らく、そうなのだろう。それでも、天邪鬼の筆者は、これまでに報じられた記事や六中全会のコミュニケのような要約ではなく、この歴史決議の全文を一回読んでみたいと思っている。少なくとも、日本人記者がこの3万6500字もの「歴史決議」全文を精読した上で記事を書いたとは到底思えないからだ。
少なくとも、今回の「歴史決議」は前二回の「歴史決議」と性格が大きく異なるのではないか。仮に、習近平党総書記に三期目、もしくは無期限の任期があるとしても、党内でそうした長期政権はどの程度支持ないし歓迎されているのか。要するに、この歴史決議にどれだけの歴史的意義があるのか・・・。疑問は尽きない。
〇アジア
フィリピン西方の南シナ海で、日米が初めて共同対潜水艦訓練を実施したという。潜水艦の日米共同訓練自体は珍しくないが、今回は場所が場所だけに、重要な政治的メッセージを伴う訓練になった。先日は米加両海軍艦船が共同で台湾海峡を通過したそうだが、今回中国はどう対応するのだろうか。興味津々である。
〇欧州・ロシア
ベラルーシからポーランド国境に大量の移民が押し寄せた。ルカシェンコ大統領はEUが追加制裁を科せば天然ガス・パイプラインを停止することもあり得ると警告したが、プーチン大統領は「それは理論上は可能だが、ロシアとベラルーシの契約違反になる」などと牽制したらしい。ルカシェンコもそろそろ年貢の納め時が近いのか?
〇中東
米軍が2019年にシリアで行った空爆で女性や子どもを含む民間人多数が犠牲になっていたことを初めて認めた。空爆は過激派組織ISIS制圧の数日前だったが、その事実は未公表、ニューヨーク・タイムズの調査報道で明るみに出たそうだ。調査報道も凄いが、それを認める米軍もある意味で立派。これが民主国家の報道である。
〇南北アメリカ
トランプ政権初期にホワイトハウスの首席戦略官だったスティーヴ・バノンが議会侮辱罪で正式起訴され、FBIのワシントン支局に出頭した後、ワシントンの連邦裁判所に出廷したという。さすがのバノンも抵抗を止めたのか。いずれにせよ、民主党とトランプ一派との死闘は今も続いているということか。
〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。
(この記事は2021年11月17日掲載予定だったものです)
トップ画像:米中首脳会談でのバイデン大統領と習近平首席(2021年11月15日) 出典:Photo by Alex Wong/Getty Images
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