岸田新政権へのアメリカの反応は その5 靖国参拝はどうするのか
Japan In-depth / 2021年12月2日 7時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・岸田氏は国会議員時代から靖国神社に参拝せず。
・米識者「靖国問題は自国の戦没者の追悼に関わる国内問題で、外国の干渉を認めるべきでない」との見方。
・「岸田氏は靖国参拝を行い、日本国内の融和を促すべき」。
ドーク氏はさらに岸田首相にとって、さらには日本全体にとっても、屈折した難題といえるテーマに触れた。それは靖国神社への参拝問題だった。
結果として次期の首相の選出につながった今回の自民党総裁の選挙では高市早苗議員が「首相になれば日本国首相として靖国神社に参拝する」と明言したことから、靖国問題が改めて広範な注視を集めた。
岸田氏は総裁選の討論では「時期、状況を考えた上で、参拝を考えたい」と述べて、含みを残した。
岸田氏は首相としては10月17日、靖国神社の秋季例大祭に合わせて「内閣総理大臣 岸田文雄」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納した。だが参拝はしないという姿勢は明確だった。
そもそも岸田氏は国会議員としても自身の靖国神社参拝の記録はない。やはり宏池会の伝統のせいでもあろうか。
この点についてドーク氏が論評した。
「岸田氏は元外相、そして今回は首相として正面からの靖国神社への参拝は特定の外国からのネガティブな反応に結果として過剰な考慮を与えてしまい、差し控えるということにするのだろう。だが全世界的にみれば、他の諸国は日本が自国の戦没者にどう弔意を表するかなどという点を気にしてはいない。高市氏の『靖国問題は日本の純粋な国内問題であって、外交案件ではない』という主張はこの点、まさに正しい」
「日本国首相としての岸田氏にとってのいまの課題は日本国のために戦って死んだ日本国民に対して日本国の総代表として、いかにその栄や労を讃え、慰めるか、だ。日本は岸田首相に限らず、自国を守るために戦った戦死者たちの犠牲に対して国家からのなんらかの形の承認や賞賛を示すという責務を果たしていない。日本はこの責務を果たさない限り、国家としての機能は完全だとはいえない」
ドーク氏は2006年に当時の小泉純一郎首相が靖国神社への参拝を続け、中国から激しい非難を浴びた際もアメリカの知識人として中国の態度は日本の内部の心や信仰の課題への不当な介入だとして排すべきだと主張していた。
▲写真 靖国神社を参拝する小泉純一郎元首相(2006年08月15日) 出典:Photo by noboru hashimoto/Corbis via Getty Images
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