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印、廃車政策始動 日本にも波及効果

Japan In-depth / 2021年12月15日 7時0分

モディ首相は8月13日に開かれた廃車に関するインフラへの投資促進に向けた「グジャラート投資サミット」でのオンライン講演の中で、「この政策の開始はわが国の発展上画期的な出来事」と強調し、内外の企業・投資家にその推進に向け投資を呼びかけた(インディアン・エクスプレス紙8月13日電子版)。





同首相は循環型経済の具現化にも言及し、マクロ経済への自動車産業が果たす役割強化に期待を込めた。日本総研が2017年の産業連関表の投入係数・輸入係数を用いて試算したところによると、インドの廃車政策で廃車される車両が全て新車に置き換えられる場合の生産誘発額は輸送機械や基礎金属を中心にGDPの約20%に相当するという。









▲写真 インドのモディ首相(2021年9月24日、ワシントン) 出典:Photo by Sarahbeth Maney-Pool/Getty Images





廃車政策実施に伴う新車販売増は、新型コロナウイルス感染の動向に左右されそうだが、ガドカリ道路交通・高速道路相は「10-12%程度」としている(ヒンドゥー紙11月23日電子版)。鉄、銅、アルミなどの素材や部品のリサイクル関連での新規ビジネス創出、輸入代替効果も無視できない。年間輸入量が800万トンにのぼる鉄スクラップの価格は、このところ世界的な品不足で値上がりが激しい。環境性能の高い車に買い替えが進むと大気汚染など環境問題の改善効果も出る。モディ首相は「若者やスタートアップ企業にこの政策推進で参画してほしい」とも述べている。





「将来的には毎年約900万台の廃車(うち60%は二輪車)が見込まれる」(オンライン・データバンクのプロジェクツ・トゥデー5月21日記事)とされるだけに、民間企業も廃車政策関連の新規事業展開に乗り出し始めた。





大手財閥マヒンドラ・グループの中核企業である自動車のマヒンドラ&マヒンドラ(M&M)は、廃車政策案が発表された翌月の4月、マヒンドラMSTCリサイクリングと、M&Mのディーラーで新車購買希望者に同リサイクリングの廃車に関するサービスを提供する覚書を交わした。





マヒンドラMSTCリサイクリングは、同グループのスチール・サービスセンターであるマヒンドラ・インタートレード(現マヒンドラ・アクセロ)とインド鉄鋼省傘下の商社であるMSTCとの合弁会社で、2018年1月にニューデリー近郊のノイダ地区に使用済み車両の解体・鉄再利用施設を開所した。マヒンドラ車のディーラーはCEROのブランド名で、同リサイクリングの協力を得て車両の評価、スクラップ価格査定、廃車政策の恩恵を受ける際に役立つCERO名の証明書発行なども行う。同リサイクルは現在、タミルナド州チェンナイ、マハラシュトラ州プネにも同様な施設を持つ。同社は2025年までに同様の施設を全国25カ所に設ける予定だ。同社はルノーとも廃車サービスで覚書を交わしている。





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