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金与正、本部党責任者に昇格?

Japan In-depth / 2021年12月20日 15時12分

金与正、本部党責任者に昇格?




朴斗鎮(コリア国際研究所所長)





【まとめ】





・金与正氏は朝鮮労働党中央委員会副部長となったが本部党責任副部長に就任し、党の中枢を掌握したとの情報もある。





・その後、国務委員会委員に女性で唯一金与正が含まれ、国家政策遂行でも実質「ナンバー2」の役割を果たす。





・10月に開催された金与正氏主導の第4回政治局会議の議題は3大革命運動の総指揮や直属の情報網構築を意味する。





 





北朝鮮の年末年始政治行事は、金正日死亡10周年(12.17)と金正恩執権10周年(12.30)、そして12月下旬に予告された党中央委員会総会での新年度基本計画策定、2月の最高人民会議となっている。こうした中で注目されるのは、権力中枢における金与正の浮上とその立ち位置の変化だ。12月17日の錦繍山太陽宮殿での「金正日総書記10周忌中央追悼行事」でもそれは確認された。





金与正肩書の変化





まず注目しなければならばならないのが、今年の後半から金与正(キム・ヨジョン)の肩書が党中央委員会宣伝扇動部副部長から党中央委員会副部長へと変わったことである。





対韓国、対米対応で、事あるごとに談話を発表してきた金与正だが、2021年3月30日の談話での肩書は朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部金与正副部長となっていた。





しかし、党の重要決定不実行によって、「国家と人民の安全に大きな危機をもたらした」として、その責任追求と糾弾のために開かれた6月30日の党中央委員会第8期第2回政治局拡大会議以降、その肩書で宣伝扇動部が抜け朝鮮労働党中央委員会副部長となった。





この会議で金与正は、今年1月の第8回大会以降の党中央委員会各総会で討議決定した重要課題(特には第3回総会での金正恩の軍備蓄米放出命令)の貫徹で、無知と無能力、無責任を発露させたとして、名指しこそしなかったが、党中央常務委員で中央軍事委員会副委員長の李炳鉄(リ・ビョンチョル)や政治局委員で防疫担当書記の崔相建(チェ・サンゴン)らを厳しく批判、糾弾した。彼らはこの総会後に更迭・粛清されたが、軍の後方支援(食料支援など)を担う国防相を始め局長クラスの中枢幹部も更迭された。





この会議の後に金与正が党中央副部長へ昇格したものと見られる。一部では「本部党責任副部長」に就任し、党の中枢を掌握したとの情報もある。





8月1日以後の談話から金与正の肩書は、朝鮮労働党中央委員会副部長となっただけでなく、9月の最高人民会議第14期第5回会議では、党の政治局員と肩を並べる国務委員会委員に昇格した。





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