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注目はフィリピン大統領選「2022年を占う!」東南アジア

Japan In-depth / 2021年12月24日 17時5分

民主政権の指導者でクーデター後に逮捕、訴追されているアウン・サン・スー・チーさんには2021年12月に2つの容疑で禁固4年の実刑判決(その後軍政の恩赦で2年に減刑)が下されたが、残る複数の容疑での判決が年明けから続き、さらに禁固年数が加算される可能性が高まっている。





軍政としては2月1日までに全ての容疑での実刑判決を下し、スー・チーさんの政治生命を完全に絶つことを企図しているとみられるが、民主派勢力の武装市民組織「国民防衛隊(PDF)」が各都市で軍への攻撃を激化し、少数民族武装勢力との連携による共同作戦なども展開している。このため2022年も流血の内戦状態が続くことは必至な情勢で、軍政が目論むスー・チーさんの政治的抹殺や政治の安定化は困難との見方が強い。









▲写真 現在も身柄を拘束されているアウンサンスーチー氏(2012年6月16日 オスロ) 出典:Photo by Nigel Waldron/WireImage





■ 王室批判、民主化要求高まるタイ





クーデターといえば2014年に実権を取り2019年の選挙で民政化を果たしたとしながらも依然政権にとどまっているプラユット首相の退陣、軍政下の憲法の改正、さらにタブーとされる王室改革を掲げた反政府運動が続くタイからも目が離せない。隣国ミャンマーのクーデター、実質内戦状態で注目度がそがれた形だが、デモや集会は今も続いており、特に王室批判には逮捕という厳しい措置で対抗する政府の強権的姿勢が続いている。





国民の尊敬を一身に集めたプミポン前国王が2016年に死去し、海外在住の長い後継のワチラロンコン国王への国民の批判をどう取り扱うのか、政権の悩みは深い。





■ G20のホストとなるインドネシア





東南アジアの大国インドネシアは2022年10月にG20首脳会議のホスト国となり、主要国・機関の首脳がバリ島に集まり、コロナ対策や世界経済などを幅広く議論する。





ジョコ・ウィドド大統領はG20に合わせてバリ島を訪問する予定の中国・習近平国家主席と現在中国の協力で建設中のジャカルタ~バンドン高速鉄道の試運転に同乗する計画を立てている。





だが、コロナ特に新たなオミクロン株の感染拡大状況が10月の時点でどうなるかで各国首脳との対面での会議開催がどうなるのか、さらに遅れに遅れている鉄道建設計画がそれまでに間に合うのか、など敷居も高い。









▲写真 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領(2019年4月13日、ジャカルタ) 出典:Photo by Ed Wray/Getty Images





さらに2022年後半から2023年にかけてインドネシアは東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務める。このためミャンマー情勢が現状で推移すれば、主導権を発揮して問題解決の道筋を見出し、それを弾みに2024年の大統領選に持ち込みたい思惑がジョコ・ウィドド大統領の政権与党にはあるとみられ、ミャンマー情勢での何らかの進展も予想されている。





このように2022年は東南アジアにとっても熱い政治の年となり、その政界経済や政治への影響力の大きさから世界そして日本もその動き、一挙一動に注目することになるのはまちがいないといえるだろう。





トップ写真:任期が迫るフィリピンのドゥテルテ大統領(2016年10月20日 北京) 出典:Photo by Wu Hong-Pool/Getty Images




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