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カザフスタン騒乱に震える独裁者ら

Japan In-depth / 2022年1月13日 7時0分

それにしても、カザフスタンは同地域で最も豊か、かつ安定した独裁国家だと思っていた。まさか燃料価格引き上げ反対の抗議デモの一部がかくも暴徒化するとは思わなかった。2019年に前大統領による長期独裁政治は形式的に終わったが、その傀儡ともいわれる現大統領への権力移行は必ずしも盤石ではなかったようだ。





この状況を見て、中国、ベラルーシ、ロシアの独裁者たちは、内心震え上がったのではないか。今回のカザフスタン騒乱は、如何に強固な独裁体制であっても、一度生活物資の価格急騰など経済状況が悪化すれば、民衆の抗議デモは何時でも起こり得ることを示したからだ。民衆の不満は如何に弾圧しても容易には鎮まらない。









▲写真 米露首脳会談 スイス・ジュネーブ(2021年6月16日) 出典:Photo by Peter Klaunzer - Pool/Keystone via Getty Images





〇アジア





中国でオミクロン株感染が急拡大しているようだ。これまで「ゼロコロナ」政策を喧伝してきたが、考えてみれば、効果が半分しかない中国製ワクチンと徹底的な管理手法だけで14億人の国民を「ゼロコロナ」にすることはそもそも無理だったのではないか。これからオリンピックを開催する北京の危機感は昨年夏の東京以上だろう。





〇欧州・ロシア





男子テニスのジョコビッチ選手がワクチン未接種を理由にオーストラリア当局から入国拒否されたが、その後同国裁判所は当局のビザ取消決定を無効としたそうだ。オーストラリアが再度ビザを取り消す可能性もあるらしいが、どうなるのだろう。ジャコビッチだから入国を認めれば、オーストラリアは法治国家ではなくなるのだが・・・。





〇中東





カザフスタン大統領がEU大統領に対し「一連の暴動にはアフガニスタンや中東などからの戦闘員が参加して」「権力の奪取を図った」、「暴動は周到に準備された組織的なテロ攻撃だった」などと説明したそうだ。おいおい、都合の良い時だけ「中東のテロリスト」はないだろう・・・。どうやら、カザフスタン内政の不安定は当分続きそうだ。









▲写真 第二次世界大戦勝利75周年記念パレードに出席するロシアプーチン大統領、ロシアセルゲイ・ショイグ国防相(左)、カザフスタンのカシム・ジョマート・トカエフ大統領(右)2020年6月24日、ロシア・モスクワ 出典:Photo by Kirill Kallinikov - Host Photo Agency via Getty Images





〇南北アメリカ





10日ジュネーブで米露政府高官による協議が行われた。露側がNATO東方不拡大を求めたのに対し、米側は譲歩せず、逆に緊張緩和を強く促したため、協議は平行線を辿ったという。でも、それって、米露双方とも想定内のはず。これから長く、長く続く米露協議の第一ラウンドが始まったに過ぎないのだから。





〇インド亜大陸





特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは今週のキャノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。





トップ写真:年次記者会見に臨むプーチン大統領(2021年12月23日ロシア・モスクワ) 出典:Photo by Mikhail Svetlov/Getty Images




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