北京五輪直前に連続騒乱報道相次ぐ
Japan In-depth / 2022年1月27日 23時0分
澁谷司(アジア太平洋交流学会会長)
【まとめ】
・天津市、西安市、深圳市という大都市等で、ロックダウン、または半ロックダウンが行われた。
・万が一、北京五輪が失敗に終われば、習主席は「反習近平派」に追い詰められる。
・「ゼロコロナ」政策は、五輪直前に破綻したように見える。
今年(2022年)2月の北京冬季オリンピックが間近に迫っている。
だが、習近平政権としては、国内で新型コロナが蔓延し、無事、北京五輪が開催できるかどうか気が気ではないだろう。なぜなら、オリンピック直前、北京市の隣の天津市、陝西省西安市、広東省深圳市という大都市等で、ロックダウン、または半ロックダウンが行われたからである(北京市内も厳戒態勢を敷いた)。
▲写真 2022年冬季北京オリンピックの開会式を控えた会場の様子(2022年1月27日、中国・北京) 出典:Photo by Carl Court/Getty Images
中国のロックダウンは、先進国と比べ、厳格な措置が取られる。実際、当局が町を完全に封鎖し、住民の移動を厳しく制限する。場合によっては、住民は買い物にさえ行けない。そのため、時には飢えに苦しむ人も出てくる。このような状況の中で、天津市、深圳市、西安市では、一部住民の怒りがついに爆発した。
なお、ここでは、(1)『RFA』「ビデオ:深圳、天津、西安の防疫措置により、複数の集団事件を引き起こす」(2022年1月23日付)、(2)『大紀元』「天津、深圳、西安は厳格に統制され、民衆は相次ぎ集団で抗議」(同年1月21日付)、(3)『看中國』「天津、深圳、西安のコロナ対策に不満で、民衆の抗議が相次いでいる(ビデオ/写真)」(同)、(4)『新唐人テレビ』「ご飯を腹いっぱい食べたい。天津、深圳、西安の統制が集団抗争を引き起こす」(同)などを参考にする(ちなみに、(2)・(3)・(4)は姉妹メディアである)。
さて、中国共産党にとって、北京市から遠く離れた陝西省西安市や広東省深圳市のコロナ流行に関しては、想定範囲内だったかもしれない。しかし、天津市は、北京市からわずか120キロメートル余りしか離れていない。そこでコロナが再流行し始めたのである。習政権は肝を冷やしているに違いない。
▲写真 230万人の天津市民が新型コロナ感染の検査を受けた(2020年11月23日、中国・天津市) 出典:Photo by TPG/Getty Images
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