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駆け引きが続くウクライナ問題

Japan In-depth / 2022年2月8日 19時0分

 一方、東アジアでは北京冬季オリンピックが始まった。日本人選手には申し訳ないが、今回筆者はどうも気乗りがしない。これほど開催前から「ミソの付いた」五輪大会はなかっただろう。しかも、競技会場に雪がない。人工雪を降らすどころか、人工雪を大量生産し固めた会場が多いと聞く。一体、どこが「夏冬五輪開催」都市なのか。


 開幕前の日本マスコミの最大関心事の一つが、開会式の聖火最終ランナーにテニスの彭帥選手が起用される可能性だった。でも、それはないだろう。せっかく世界が忘れ始めたのに。彼女を再び世に出せば、世界のマスコミがまた騒ぎ出すだけだからだ。案の定、最終ランナーはウイグル族の女性だったが、これも実に姑息だ。


 中国といえば、最近、在米中国人・楊建利の興味深い講演集に目を通す機会があった。楊建利は日本より、米国の方で有名だ。楊は中国人権活動家で、1963年中国山東省生まれ。北京師範大数学系卒業、カリフォルニア州立大バークレー数学博士号、ハーバード大政治経済学博士号を取得した、秀才中の秀才である。



写真)アメリカで記者会見に臨む楊建利氏(2007年8月21日)
出典)Photo by Alex Wong/Getty Images


 89年の天安門事件時に帰国し民主化運動を支援して当局にマークされ、98年から米国で民主活動を本格化。2002年、秘密裏に帰国し中国国内の労働運動を視察して逮捕、スパイ罪・不法入国罪に問われ、懲役5年の実刑判決を受け服役。07年釈放、国外追放となるが、同年末米国で民主化運動を再開、今も講演を続けている。


 その楊建利が過去20年間に行った様々な発言を集めたのが、今回目を通した「中国を変えよう: アメリカ議会を動かした証言」なる本だ。楊の民主主義、人権、天安門事件などに関する発言は、今の中国では決して聞けないものばかり。詳細は今週の産経新聞コラムに書いたが、ご関心があれば、同講演集をご一読願いたい。


〇アジア


北京五輪では、コロナ感染で隔離された選手たちから、施設での食事のひどさや隔離条件の不透明さを批判する声が上がっているそうだ。具体的には、食事の量が足りず、まともに食べられるものがない、隔離条件も不透明だという。おいおい、何の文句があるのか。ここは「ゼロコロナ」の国だぞ。感染者には人権などないのだから。


〇欧州・ロシア


  北京五輪の初日、早速オランダ人TV記者の生中継が中国側当局により物理的に妨害される事件が起きた。今大会でメディア関係者の行動範囲は制限されているそうだが、詳細は不明。同記者は「ここ数週間、何度か警察から妨害されたり止められたりした」ことがあると述べているが、そこは北京、「これが最後の妨害」の筈はない。


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