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武漢市民政局、2年もデータ未公表

Japan In-depth / 2022年2月9日 11時0分


図表)筆者作成


仮説として、武漢市では、すでに2019年下半期からコロナの影響が出ており、遺体焼却数が増加したと考えられる。ただし、データが不足しているので、軽々しく断定できない。


ところで、2020年春、『ラジオ・フリー・アジア(RFA)』(米議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局。民間の非営利法人が運営)に「武漢市7つの葬儀社の骨壺数は、真の死者数が公式の死者数とはかけ離れている事を暴露」(2020年3月27日付)という記事(b)を掲載した。その一部を紹介したい。


(当時)コロナの発生地、武漢市の公式死者数は2500人余りだった。けれども、この数字を信じる人はほとんどいなかった。


(既述の如く)武漢市当局の公式HPに発表された「武漢公共サービス」のデータは、2019年12月からアップデートが中断されている。そのため、武漢市がコロナでどれほどの打撃を受けたのか、一般の人が検証することができない。そこで、武漢市民たちは他の方法で真相を探った。


実は、2020年3月23日から、武漢の7大葬儀場(漢口葬儀社、武昌葬儀社、青山葬儀社、蔡甸葬儀社、黄陂葬儀社、新洲葬儀社、江夏葬儀社)は1日500個の骨壺を遺族らに配っている。つまり、7葬儀社は、毎日合計3500個の骨壷を配ったと推測できる。もし、これが事実ならば、3月23日から4月5日の清明節までの12日間(前後両日を含まず)で、4万2000個の骨壷が配られた事になるだろう。



写真)骨壺を手に集団葬に向かう霊園従業員たち。(2021年4月3日 中国・武漢)
出典)Photo by Getty Images


他に、焼却炉数から死者数を割り出す方法もあるかもしれない。武漢7葬儀場には84台の火葬炉が設置されている。そのうち65台が1日24時間フル稼働すると仮定しよう。1体当たり1時間で火葬するならば、1日当たり1560体の焼却が可能となる。30日間で、死者数は4万6800人と推測できるだろう。


一方、湖北省民政局に近い情報筋によると、多くの患者が診断に間に合わず死亡した。彼らは、自宅や路上、外来受付で死亡する等、いわゆる“診察のプロセス”に入っていない。そのため、民間の数値と公的数値の2つが存在するという。


また、匿名の情報筋によれば、武漢市のコロナ死亡者数は“デリケートな問題”である。市政府は3月初め、コロナ流行の最悪月、武漢の葬儀社が約2万8000体の死体を処理したと湖北省政府に報告したという。


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