朝日新聞とヒトラー その4 トランプ大統領も悪魔化の標的
Japan In-depth / 2022年2月19日 11時0分
≪アウシュビッツ解放から72年となった一昨日、国連の式典でグテーレス事務総長が述べた。「ポピュリズムが、外国人への嫌悪やイスラム教徒への憎悪に拍車をかけている」。思い浮かべていた顔はトランプ米大統領、あるいは欧州の極右政治家たちか▼≫
以上の記述のカギはもちろん国連事務総長の言葉の後に続く「思い浮かべていた顔はトランプ」という部分である。国連事務総長がアウシュビッツを想起しながら、現代の世界のポピュリズムを語ったとき、思い浮かべたのはトランプ氏の顔だろうと、この「天声人語」記者は断じるわけだ。つまりアウシュビッツの虐殺の張本人のヒトラーをトランプ大統領に重ねていたのである。
写真)アウシュビッツ博物館ホロコースト77周年 有刺鉄線柵と監視塔。2022年1月27日、ポーランド・オシフィエンチム
出典)Photo by Omar Marques/Getty Images
私もこの国連事務総長の演説の原文を読んでいた。だがそこで最も強調されていたのは虐殺行為の犠牲になったユダヤ人に関連しての「反ユダヤ主義の台頭」だった。そこにはトランプ氏を連想させる記述はなかった。
だが「天声人語」の筆者は勝手にその残虐行為やその実行者のヒトラーをトランプ大統領と結びつけていたのだ。しかもその強引な結びつけは、二重三重に妄想ふうだった。その筆者がグテーレス国連事務総長が「思い浮かべていた顔はトランプ」と自分勝手に述べているのだ。
ポーランドで国連事務総長が思い浮かべた内容が日本にいる朝日新聞記者に瞬時にわかってしまうはずがない。あまりに一方的で扇情的な誹謗の飛躍とでもいえようか。
トランプ氏は民主主義的な選挙で選ばれたアメリカ合衆国の大統領である。いかにその政策や言明が過激に響いてもそれなりに法律に沿って実行する、あくまで非暴力の範囲内である。それを大量虐殺の犯罪責任者と同じに扱う筆法は、まともな言論とは思えない。
トランプ氏の義理の息子のジャレット・クシュナー氏はユダヤ系アメリカ人である。そのユダヤ人の義理の息子をトランプ氏は自分の政権で大統領上級顧問に抜擢した。朝日新聞はユダヤ人をそれほどの身近におく人物をユダヤ民族大量虐殺の下手人たちと同列におくのである。
しかも72年以上も前の時代と現在との環境の違い、価値観や国際情勢の違いなどをすべて無視して、アウシュビッツを一気にトランプ大統領と結びつける。
トランプ憎しのあまりの過剰攻撃であろう。こうした憎悪の言論こそがナチスの再現に似た時代環境を連想させるといえよう。
(その5につづく。その1、その2、その3)
トップ写真)テキサスで行われた「セーブアメリカ」集会で講演するトランプ前大統領。2022年1月29日 テキサス州・コンロー
出典)Photo by Brandon Bell/Getty Images
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